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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム

セッション 2D  クラウド
日時: 2012年7月4日(水) 15:00 - 17:05
部屋: 剣梅鉢の1
座長: 中沢 実 (金沢工業大学)

2D-1 (時間: 15:00 - 15:25)
題名様々なシステム構成におけるCassandraの処理能力に関する考察
著者*菱沼 直子 (お茶の水女子大学), 竹房 あつ子, 中田 秀基 (産業技術総合研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 396 - 402
KeywordCassandra, NoSQL, 分散コンピューティング
Abstract近年,クラウドコンピューティングの普及や,分散環境における一貫性の制限を緩和 して処理性能を重視するアプリケーションが多く開発されている事に伴い,個人が生み 出す情報が大量にネットワーク上に保存されるようになり,そのデータ量が爆発的に 増加している.それに伴い従来のデータベース管理システムである ではデー タ格納や処理の柔軟性に不満が出る場面も見られるようになり, と呼ばれる 新しいデータベース管理システムが注目され始めた.そこで,本研究では の 実装のひとつであり, 型データベースでありながら,複雑なデータ管理が可能なCassandraと呼ばれる分散データベースに着目する. に対しベンチマー クツール を用いて書き込みや読み出しにかかる実行時間やスループット等を測 定し性能評価を行い,その結果をもとに の傾向を明確にするための考察を 行う.これまでに小規模なクラスタを用いた性能測定は実行済みなので,本研究では より詳細な の傾向把握のためにより大きなクラスタを用いて の傾向を調査し,特に一貫性レベルとレプリケーション数の変化に伴う Cassandraの 振る舞いの変化等を調べる.調査の結果, はある一定の負荷までは効率良 く処理が行えていることが分かり,本実験環境では ノードあたり スレッド程度は 無駄なく処理することができていた.また,読み出処理は実行結果が一貫性レベルや レプリケーション数といった設定条件に大きく依存し,書き込み処理はあまり依存し ていないことが確認できた.

2D-2 (時間: 15:25 - 15:50)
題名ハイブリッドクラウド環境における各種コストバランスに基づくデータ処理最適配置ミドルウェア
著者*笠江 優美子, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 403 - 411
Keywordクラウドコンピューティング, ミドルウェア, 負荷分散, コストバランス, ハイブリッドクラウド
Abstract高度IT社会の進展に伴い,コンピュータシステムにおける情報量が爆発的に増加しており,大量のデータを効率よく処理するシステムが求められる一方で,処理時に生じるコストのバランスに対して柔軟な対応のできる手段も望まれている. 本研究では,そのプラットフォームとしてハイブリッドクラウドに注目し,データインテンシブアプリケーションによるジョブを効率よく処理すると共に,処理時に生じるパブリッククラウドの従量制料金やクラウドの消費電力料金に対しても,ユーザの要望するコストバランスになるように,ジョブを最適配置するミドルウェアの構築を目指す.

2D-3 (時間: 15:50 - 16:15)
題名過飽和クラウドにおけるスケールアップ方式の評価
著者*木部 真一郎 (東洋大学大学院工学研究科情報システム専攻), 上原 稔, 山際 基 (東洋大学総合情報学部総合情報学科)
Pagepp. 412 - 417
Keywordクラウドコンピューティング, プライベートクラウド, Eucalyptus
Abstract既存の情報教育環境では管理者権限が与えられていないため、操作に制限がかかってしまう。そのため、自らサーバやプログラミングなどの環境を一から構築することが困難である。そこで我々はクラウドを用いて情報教育環境を構築することを提案した。現在、スケールアウト方式で教育クラウド環境を提供しているが、1台の物理マシン上で稼働できるインスタンス数は少ない。 本論文ではスケールアップ方式における物理マシン上で教育クラウドを構築し、その性能を評価する。評価はCPUとI/OのThroughputの2つの性能評価を行う。

2D-4 (時間: 16:15 - 16:40)
題名複数サーバ接続単一ネットワークストレージ環境での下位キャッシュへの参照の局所性の解析
著者*竹内 洸祐, 長廻 雄介, 山口 実靖 (工学院大学工学研究科電気電子工学専攻)
Pagepp. 418 - 424
Keyword負の参照の時間的局所性, キャッシュ置換アルゴリズム, ネットワークストレージ
Abstract多段キャッシュで構成されるネットワークストレージ環境において,上位キャッシュ(サーバ計算機のキャッシュ)の置換アルゴリズムにLRUが使用されている場合,下位キャッシュ(ストレージ機器のキャッシュ)においては一度アクセスされたデータが近い将来に再度アクセスされる可能性が低くなり,通常とは逆向きの負の参照の時間的局所性が存在する事がシミュレーションにより確認されている. 本研究では複数サーバ接続のネットワークストレージ環境を擬似的に構築し、実OS上で実アプリケーションを動作させ,下位キャッシュへのアクセスパターンの解析行い,負の参照の時間的局所性の存在の調査を行う.そして,同アクセスログを用いてネットワークストレージキャッシュにおける既存キャッシュ置換アルゴリズムの性能の評価を行う.