題名 | 鏡像法による電界強度分布モデリングにもとづく位置推定手法 |
著者 | *寺本 やえみ, 淺原 彰規 ((株)日立製作所 中央研究所) |
Page | pp. 324 - 330 |
Keyword | 無線測位, 電界強度分布モデル, 反射波, 無線LAN, 屋内測位 |
Abstract | 本研究では,無線電界強度分布のモデリングに基づく屋内測位技術の精度向上の検討を行った.屋内で無線電波強度を利用した測位を行う場合,壁などの障害物による反射波の影響で電波強度が変動することが問題となる.そこで,反射の影響を組み込んだ電界強度分布モデルを考案し,教師データを用いてモデルパラメータを学習した上で,このモデルを利用して測位を行う手法を提案した.提案手法について,実際に測位環境を構築し評価実験を行った.その結果,提案手法は従来手法に対して測位誤差を0.7m低減したことを確認した.また,教師データの数や選び方によらず,安定して実用的な測位精度を実現することを確認した. |
題名 | 無線メッシュネットワークにおける端末位置推定のためのスループット最大化のチャネル割当方式の提案及び評価 |
著者 | *李 明, 韓 龍 (九州大学大学院システム情報科学府), 孔 維強 (九州大学大学院システム情報研究院), 田頭 茂明 (関西大学総合情報学府), 荒川 豊, 福田 晃 (九州大学大学院システム情報研究院) |
Page | pp. 331 - 339 |
Keyword | 無線LAN, 位置推定, スループット, チャネル割当 |
Abstract | 本研究では,無線LAN を用いたモバイル端末の屋内での位置推定システムにおいて,高速通信と位置推定とを同時に考慮し,通信容量(スループット)最大化のチャネル割当手法を提案し,本提案手法を評価する.無線LAN において,通信の干渉を避けるために,近接するアクセスポイント(AP)間でできる限り異なるチャネルを割当てる必要がある.その一方で,モバイル端末の位置を高精度に推定するためには,その端末の通信を多くのAP で観測できる必要があり,近接するAP 間でできる限り同一のチャネルを割り当てる必要がある.従来の既存研究では様々なチャネル割当方式の研究が行われているが,これらの研究は,高速通信のみに限定した研究であり,本研究で取り扱う高速通信とモバイル端末の位置推定の双方を同時に取り扱った研究は見当たらない.本論文では,まず,高速通信と屋内位置推定を同時に取り扱う問題を定式化する. 次に,802.11 のCSMA/CA with RTS/CTS の方式により,高速通信のための無線LAN のスループットの評価方法を提案する.次に,この評価方法により,スループットを最大化するAP のチャネル割当方式を提案する.最後に,本提案手法を評価する. |
題名 | 無線LAN環境特異点に基づくゲート通過検出手法 |
著者 | *梶 克彦, 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科) |
Page | pp. 340 - 348 |
Keyword | ゲート検出, スマートフォン, 移動速度, 無線LAN距離関数 |
Abstract | 本稿では,ユーザがスマートフォンを携帯して屋内を歩行する状況を想定し,無線 LAN と加速度センサの情報を併用したドア通過検出手法を提案する.ドアは物理的 に通路や部屋を区切る構造物であり,無線LAN の電波はドアによって減衰または遮 断される.よって,ドアの前後に置いて電波環境が大きく異なる.我々はこのような 地点を無線LAN 環境特異点と定義し,無線LAN 距離関数から導かれる移動距離と 加速度データから推定される移動距離を用いて特異点検出を行う.特異点が検出され た区間をゲート通過区間であるとみなす.実環境においてゲート通過検出手法の評価 実験を実施し,半数以上のドア通過を検出可能であることを確認した.また,同一ド アの通過推定に関しては,特定のドアに限り90%を超える高い精度での推定が可能で あることを確認した. |
題名 | コンテクストアウェア・サービスのための間欠的切替測位による省電力入圏検出方式 |
著者 | *中川 智尋, 土井 千章, 太田 賢, 稲村 浩 (NTTドコモ) |
Page | pp. 349 - 354 |
Keyword | コンテクストアウェア・サービス, 入圏判定方式, GPS測位, 基地局測位 |
Abstract | スマートフォンの登場により、ユーザの状況に応じて適切なサービスや情報を提供するコンテクストアウェア・アプリケーションを実現しやすい環境が整ってきている。ユーザの状況を示すコンテクスト情報の中でも、位置が重要な役割を果たすが、ユーザの移動状況を継続的に取得する処理はリソース消費への影響が大きい。本研究では、特定のスポットへの入圏というユーザのコンテクストを省電力で検出する方式を実現することを目的とする。提案方式では、間欠的測位方式に複数の測位手段を併用する機能を組み込むアプローチを採用し、目的地からの距離に応じて、リソース消費と測位精度のトレードオフを考慮して測位手段を選択する。これにより、検出精度の維持とリソース消費の抑制が可能となる。計算機シミュレーションにより、提案方式は入圏判定の検出精度を落とさずに全測位回数のうち約77.9%をGPS測位から消費リソースの少ない基地局測位に切替えて消費電力の低減を実現できることを示す。 |
題名 | 推論攻撃を考慮した位置情報保護技術 |
著者 | *南 和宏 (統計数理研究所) |
Page | pp. 355 - 358 |
Keyword | 位置情報, プライバシー, 推論, マルコフモデル |
Abstract | 近年、インターネット上では様々な位置情報サービスが提供されており、多数のユーザーの間で位置情報の共有が実現されている.しかし位置情報はユーザーのプライバシーに関する行動に深く関連するため、位置情報の公開は適切に制限される必要がある.本論文では、位置情報データ間には強い相関性が存在することを利用した推論攻撃を想定した新しいプライバシー保護技術について考察する. |