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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム

セッション DS  デモセッション/企業展示
日時: 2011年7月7日(木) 17:45 - 19:20
部屋: グランドホール
座長: 今野 将 (千葉工業大学)

DS-1
題名地図製作意図に基づいた現在地認識支援システムの実現方式
著者*中澤 優一郎, 山田 祐介, 細川 宜秀 (群馬大学大学院工学研究科情報工学専攻)
Pagepp. 1621 - 1630
Keywordモバイル, GIS, 空間認知
Abstract1 はじめに モバイルツールにおける周辺情報獲得の難しさは,近周辺情報(代表的なものとして,現在地から視認可能なランドマーク),ならびに,遠周辺情報(代表的なものとして,直近で利用した可能性の高いランドマーク)の3空間的(位相,方向,距離)関係を全て画面内に収めることにある.なお,3空間的関係の認識は,モバイルユーザが周辺情報の重要度判定基準を与える本質的項目として位置づけられる.これは, 周辺情報の重要度が近さに依存することが多いことによる.つまり,モバイルユーザは,目的となる遠周辺情報,ならびに,近周辺情報と現在地の空間的関係認識を伴って,周辺情報の重要度判定を行う.ここで,モバイルユーザが現在地を認識する行為を「現在地認識」と定義する.また,本稿が対象とする周辺情報をランドマークの位置情報とする. 現在の主要な地図情報システムは近周辺ランドマーク,ならびに,遠近周辺ランドマークの3空間的関係を正確に表現するものである.しかしながら,距離関係の正確な表現は,近周辺情報,ならびに,遠周辺情報の一括提示の妨げとなっている.すなはち,その地理情報システムは,拡大・縮小などの地図操作をモバイルユーザに強要することによって,それらの空間的関係を認識させる.この地図操作は一般に大変な労力を有するものであり,モバイルユーザの地図利用の動機低減をもたらす. 本稿では,モバイルユーザの現在地から視認可能なランドマーク,ならびに,直近で利用した可能性の高いランドマークを一括提示する現在地認識支援システムを提案する.提案方式の特徴は,与えられたランドマーク集合から,近さと地図製作意図(地図製作者の定める「ランドマークの強さ」)に基づき,両ランドマークを一括検索する機能を実現することにある.ここで,ランドマークの強さとは,異なる縮尺を持つ地図の集合が与えられた時,そのランドマークを含む地図の数と定義する.例えば,多くの人が利用する駅,市役所等など,多くの人が利用するランドマークは,異なる縮尺の地図に出現することが多い,すなはち,これらは強いランドマークとみなされる. 近周辺ランドマーク,ならびに,遠周辺ランドマークを一括提示することにより,提案システムはモバイルユーザの現在地認識支援を可能にする.また,実験により提案方式の妥当性を明らかにする. 2 提案システムの実現方式 本節では提案システムの定式化,すなはち,データ構造とデータ構造に対する機能の構成方式を示す. 2.1 データ構造 提案システムは,地図製作者が定めるランドマークの強さを保持するデータベース(地理的専門知識データベース)に基づく.そのデータベースを(ランドマークID,ランドマーク名,緯度経度,スケール1の地図における出現有無,スケール2の地図における出現有無,・・・,スケールMの地図における出現有無)からなるM+3対の集合として定義する.ここで,ランドマークIDとはランドマークの識別子を表す.ランドマーク名はランドマークの名称を表す.緯度経度はランドマークに関連付けられた地点の緯度経度を表す.スケールj( j = 1 〜 M )の地図におけるランドマーク出現有無は,0(未出現)または1(出現)により表現される. 2.2 提示ランドマーク選択機能 提案システムは,次の式に基づいて提示ランドマークを選択する. W LM =(α×m(i) / ( M + (1−α) ) × ( (r−d(i,c)) / (r+1) ) l ここで,M は地理的専門知識データベースを構成する地図のスケールの個数を表す.m(i) はそのデータベースに固辞されるi 番目のランドマークが出現する地図数を返す関数を表す.rは現在地を中心とする円の半径を表す.提案システムはその円内に存在するランドマークを遠周辺ランドマークと認識する.d(i,c) はi番目のランドマーク現在地c間の距離を返す関数を表す.lは遠周辺ランドマークに対する近周辺ランドマークの提示優先度合いを表す.なお,lは1以上の実数をとる.例えば,lを大きくすると,遠周辺ランドマークに対して近周辺ランドマークが画面内に優先的に提示される.αは,強いランドマークと近いランドマークの提示優先度を表す.この値は0から1の間の値をとる. 本式の第1項は強いランドマーク選択に寄与し,第2項は現在地から近いランドマーク選択に寄与する.すなはち,本式は強く,現在地から近いランドマークを画面提示に最もふさわしいものとして認識する. 3 実験 3.1 実験目的 提案提示ランドマーク選択機能を有する地図生成システムの妥当性評価を行った.この評価を,次の2システムを用いた被験者の現在地認識精度による定量的比較によって実施した. (S1)提案システム (S2)提案機能を持たない現在の主要な地図情報システム さらに,インタビューにより,提案システムに対する定性的評価を行った. 3.2 実験方法 53名の被験者に両システムを用いた現在地認識を実施させた.実施期間は,2010年7月26日〜2011年8月17日である.各被験者に対し桐生市内9現在地の現在地認識を行わせた.地理的専門知識データベースはGoogleMapから4カ月かけて桐生市内のランドマーク4377件を人手で抽出し実装した. 3.3 結論 提案システムの平均精度は約0.56であった.また,提案機能を持たない現在の主要な地図情報システムの平均精度は約0.39であり,提案システムの約17%の性能向上を達成した.また,正解者が参考にした一人当たりの遠周辺ランドマーク数は1.24個であった.さらに,被験者が参考にしたランドマークの多くは,群馬大学,JR桐生駅,上毛電鉄西桐生駅などの強いランドマークであった.これらより,遠周辺ランドマークを画面内に提示する提案システムの妥当性が明らかとなった.なお,実験データの根拠と詳細は本論文に示す.

DS-2
題名スマートフォンを用いた行動情報共有システム「ALKAN2」
著者*服部 祐一, 中村 優斗, 井上 創造 (九州工業大学), 平川 剛 (株式会社ネットワーク応用技術研究所)
Pagepp. 1631 - 1637
Keywordスマートフォン, 行動情報, 3軸加速度センサ
Abstract本稿では,行動解析のための行動情報を収集する目的として開発した行動情報共有 システム「ALKAN2」について述べる.ALKAN2 では,ユーザが行った行動のセ ンサデータと動画像を収集し,それらを閲覧できる環境をユーザに提供する.また, ユーザは他のユーザが行った行動をまねすることができ,まねした際のデータをサー バに送信することにより,どの程度似ているかなどを判定することができる.また, 他のユーザが行ったデータに対して評価することができる.それにより,ユーザのモ チベーションの維持につながり,より多くの行動情報が収集できることが期待できる.

DS-3
題名EVANS2:拡張現実感技術を利用した家電機器操作システム
著者*坂本 陽, 三原 進也 (同志社大学大学院工学研究科), 島田 秀輝 (同志社大学理工学部), 佐藤 健哉 (同志社大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1638 - 1645
Keyword情報家電, 拡張現実感, 可視光マーカ
Abstract近年,テレビやHDD/DVD レコーダ,オーディオ機器など,ネットワークに接続可能な家電機器が普及しつつあり,近い将来,あらゆる家電機器がホームネットワークに接続され,ネットワーク経由でそれらの機器を制御するようになる. しかし,ネットワークに接続された機器は,ネットワーク経由でそのIDや名称を判別することができるが,家電機器の設置場所を識別するための情報を含まれていない.そのため,ホームネットワークに接続される家電機器が増えることによって,それぞれの家電機器がどの場所に設置されているかを容易に判断できなくなり,その結果,利用者が操作を行いたい対象の家電機器を目で見て特定し直接操作することは困難となり,操作したい機器とは異なる家電機器を操作してしまうといった誤操作が発生する可能性がある. 本研究では,拡張現実感技術における可視光マーカを検討し,これを利用することでホームネットワークに接続された複数の家電機器を直感的に操作し協調させるシステムを提案するとともに,その実現可能性を示す.

DS-4
題名ゲーム性を取り入れた施設公開型イベント支援システム
著者*小林 亮 (神奈川工科大学大学院工学研究科情報工学専攻), 佐藤 仁美 (アシアル), 服部 哲 (神奈川工科大学情報学部情報メディア学科), 速水 治夫 (神奈川工科大学情報学部情報メディア学科,神奈川工科大学大学院工学研究科情報工学専攻)
Pagepp. 1646 - 1651
Keywordイベント支援, スタンプラリー, ビンゴゲーム, QRコード, Twitter
Abstract大学や研究機関などの施設公開型イベントでは,参加者に各公開場所へ訪問してもらうためにさまざまな工夫がなされ,スタンプラリーはその一手段である.スタンプラリーでは,指定された場所で専用の用紙にスタンプを押し,その数に応じて景品を獲得したりすることができる.しかし,紙媒体のスタンプラリーではスタンプ設置場所の柔軟な変更や実施コストなど,さまざまな問題が存在する.本論文では,携帯端末で QR コードを読み取ることによりスタンプを押し,ビンゴを成立させるというゲーム性を取り入れた施設公開型イベント支援システムを提案する.本システムは Twitter を利用してリアルタイムにゲームの進行状況を発信する.試作したシステムを本学の新入生ガイダンスで実使用し評価した.

DS-5
題名コンテキストアウェアな端末クラウド協調制御
著者*西原 康介, 辻 聡, 狩野 秀一, 酒井 淳嗣 (NEC システムIPコア研究所)
Pagepp. 1652 - 1657
Keywordコンテキストアウェア, 端末クラウド協調制御, ネットワーク制御, サービス構築
Abstract開発コスト削減や開発期間短縮のため,複数のサービス機能単位を組み合わせてサービス提供できる技術が注目されている.近年携帯端末の高機能化により,従来サーバで動作していた上記のようなサービスの一部も,携帯端末上で十分動作するようになっている.このため,端末及びサーバの限られたリソース利用を最適化には,端末やサーバ上で動作する上記機能単位の構成を連携して制御する必要がある.さらに,ユーザ個別にサービスをカスタマイズするため,機能単位の構成をユーザコンテキストに応じて端末側で最適化する必要がある.そこで本稿では,コンテキスト状況に応じて,端末側でサービスやリソース利用を最適化し,低コストでサービスを構築できる仕組みを提案する.提案手法を評価するため,端末で撮影した画像を共有するサービスを構築することで,エンドユーザに高度なカスタマイズ性やユーザビリティ,システム設計者に低コストなサービス構築や容易なリソース最適化を実現する手法を提供できることを確認した.

DS-6
題名広域センサネットワーク統合環境におけるデータの障害検知システム
著者*山内 正人 (慶應義塾大学), 松浦 知史 (奈良先端科学技術大学院大学), 石 芳正, 寺西 裕一 (大阪大学), 砂原 秀樹 (慶應義塾大学)
Pagepp. 1658 - 1663
Keywordセンサネットワーク, 障害検知, 安心・安全, 分散処理, P2P
Abstract大規模なセンサネットワークを運用し、安心・安全にセンサデータを活用するために はセンサデータの異常検知が重要となる。本稿ではこれまで筆者らが提案してきた大規 模なセンサネットワークにおいて障害検知を行うフレームワークを分散環境(PIAX) 上に実装した。障害検知結果を表示する障害通知アプリケーションの作成も行った。 また、障害検知に際して行う通信等をX-Sensor 2.0 を用いて可視化も行った。それ ぞれのシステムが適切に連携し、障害検知フレームワークが動作することを確認した。

DS-8
題名SAMTK-3Dを用いた多地点間仮想空間コミュニケーションとその応用
著者*浅井 俊晴, 中山 裕美, 梶 克彦, 河口 信夫 (名古屋大学工学研究科計算理工学専攻)
Pagepp. 1664 - 1671
KeywordSAMTK, 仮想空間, 遠隔コミュニケーション, 多地点, テレビ会議
Abstractネットワーク,PCの発達に伴い,プレゼンテーションなどのネットワークを通した中継が広く普及しつつあり,それには動画配信,ビデオコミュニケーションシステム,3次元仮想空間上でのコミュニケーションサービスなどが用いられる.しかし,それらの既存のシステムでは,展示会やポスターセッション,学会などへの複数の参加者間での相互コミュニケーションを伴う遠隔参加を実現することは難しい.これに対し,我々は,3次元仮想空間コミュニケーションシステムSAMTK-3Dの開発を行っている.このシステムでは,仮想空間上に実空間で行われているイベントを再現し,実空間と仮想空間の間での相互のコミュニケーションが可能な遠隔参加を目指している.本稿では,SAMTK-3Dを用いたイベントへの遠隔参加の実験を行い,その可能性と,問題点を検証する.実験はポスターセッションと研究ミーティングへの遠隔参加の2つを行い,利用者が感じるストレスなどに関する知見を得られた.

DS-9
題名単一の鍵で多重帰属できるグループファイル共有システム
著者*佐々木 啓, 長澤 悠貴, 脇田 知彦 (名古屋工業大学), 毛利 公美 (岐阜大学), 白石 善明 (名古屋工業大学), 野口 亮司 (豊通シスコム)
Pagepp. 1672 - 1681
Keywordファイル共有, 秘密分散, 閾値復号, 鍵管理
Abstractグループウェアの代表的な機能にグループファイル共有があるが,ファイルをサービス提供者のサーバに保管するため,サービス提供者の不正が懸念される.利用者側でファイルを暗号化することでサービス提供者が閲覧できないようにできるが,利用者は所属するグループが増えるほど鍵管理の負担が大きくなる.我々は既に,グループメンバの変更が容易で,利用者が単一の鍵で複数グループに所属して暗号化ファイルを復号できるプロトコルを提案している.本論文では,我々が提案しているグループファイル共有プロトコルの実装について述べる.まず,プロトコルを組み込んだシステムの機能と,鍵構造を管理するためのデータベースについて示す.次に,実装したグループファイル共有システムの各主体の操作画面について説明する.実装したシステムで,サービス提供者及びグループに所属しない利用者は共有ファイルを閲覧できないことを確認した.

DS-10
題名aroots:野菜育成を促進させるコミュニケーションシステムの提案
著者*藤枝 慶, 芝原 隼人, 西條 鉄太郎, 安澤 太郎, 廣井 慧, 山内 正人, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
Pagepp. 1682 - 1689
Keyword農業情報, ソーシャルネットワーク, センサネットワーク
Abstract本研究では、野菜の育成を行っているユーザー同士が「野菜を育てる楽しさ」を共有できるコミュニケーションシステムを提案する。近年、食の安全問題、健康志向、環境問題への意識の高まりにより、個人で野菜を育成する家庭菜園の人気が高まりつつある。しかし、家庭菜園は手間がかかる割に、達成感が得にくく、継続が困難である。達成感は、目的を達成することで感じる楽しさであるが、家庭菜園は環境が千差 万別でノウハウが少ないなど、目的達成が難しい。 そこで、本稿では野菜の育成を行うユーザーに対し、家庭菜園を継続でき達成感が得られるコミュニケーションシステムを提案する。提案システムを試作し、動作する ことを確認した。

DS-11
題名複数拠点統合型センサネットワークにおけるデータ収集用モバイルエージェントの開発支援システム
著者*濱口 雄人, 義久 智樹, 石 芳正, 寺西 裕一, 原 隆浩, 西尾 章治郎 (大阪大学大学院情報科学研究科マルチメディア工学専攻)
Pagepp. 1690 - 1697
Keywordセンサネットワーク, モバイルエージェント, P2P
Abstract近年のセンサネットワークの普及に伴い,複数のセンサネットワーク拠点を連携させて統合的に利用する複数拠点統合型センサネットワークへの注目が高まっている.複数拠点統合型センサネットワークにおける通信量を削減するために,センサネットワーク拠点間を移動可能なプログラムであるモバイルエージェントを利用してデータ収集するシステムが研究開発されている.モバイルエージェントによるデータ収集機能の開発においては,その移動先の選択や処理中の状態,データ収集結果の確認が煩雑となる.そこで本研究では,モバイルエージェントの開発支援システムの設計と実装を行った.本システムでは,モバイルエージェントの可視化,移動指定,実行制御を開発者の端末上のWebブラウザ経由で行うことを可能とした.本システムにより,工数を削減した上でデータ収集を行うモバイルエージェントの開発が可能となった.

DS-12
題名センサネットワークを用いたモバイル型住環境データ収集表示システムの開発
著者*橋詰 葵 (静岡大学大学院自然科学系教育部), 松野 智明, 鈴木 誠二 (静岡大学大学院情報学研究科), 安部 惠一 (静岡大学大学院自然科学系教育部), 峰野 博史 (静岡大学情報学部), 水野 忠則 (愛知工業大学情報科学部)
Pagepp. 1698 - 1704
Keywordセンサネットワーク, 見える化, 省エネルギー
Abstract本論文では,表示系 HEMS を低い導入コストで実現するシステムを提案する.提案システムではセンサネットワークを用い,温度や照度,消費電力などの環境データを収集して見える化を行う.データの収集および表示には小型のセンサノードとノート PC を用いるため,既存家屋や家電に対して大きな変更を加えずに導入することが可能である.可視化されたデータをもとに,システム導入前には気付かなかったエネルギー消費の無駄を発見することで,利用者に省エネを意識した行動を促すことができる.既存 HEMS の多くは建物や部局を対象単位としていたが,本稿で提案するシステムではより粒度の細かい個人単位や家電単位での分析を可能とする.

DS-13
題名循環型多言語医療用例対訳収集環境の構築
著者*吉野 孝 (和歌山大学), 宮部 真衣 (東京大学), 福島 拓, 尾崎 俊, 東 拓央 (和歌山大学)
Pagepp. 1705 - 1712
Keyword循環型, 多言語間コミュニケーション, 医療支援, 用例対訳, 機械翻訳
Abstract近年,在日外国人数の増加に伴い,日本における多言語間コミュニケーションの機会が増加している.コミュニケーションを行う際,言語の違いは大きな障壁となる.特に医療の現場では,診療における外国人患者との対話に大きな課題を抱えている.現在は,医療通訳者による対応が行われているが,その需要は急速に増大しており,24時間対応や緊急時対応などが困難である.情報技術による支援への期待が大きいものの,多言語対応に利用可能な技術の一つである機械翻訳は医療分野において常に利用できるほど高精度ではなく,翻訳精度の保障された支援が状況に応じて必要となる.翻訳精度を保障するためには,予め精度が確認された用例対訳の利用が有用である.しかし,用例対訳は事前に用意する必要があるため,自分の伝えたい内容の用例対訳が存在しない場合は,コミュニケーションができない.コミュニケーションの実現可能性を向上させるためには,様々な状況で利用可能な多数の用例対訳が必要である.しかし,実際の現場で必要とされる用例対訳を収集するためには,医療現場の会話の情報が不可欠である.我々はこれまでに,医療分野における多言語間コミュニケーション支援のために,複数の多言語対応のコミュニケーション支援システムの開発を行ってきた.今回,用例対訳を用いた対話の実現可能性を高めるために,これまで開発してきた多言語間コミュニケーション支援システムを連携させた環境として,循環型多言語医療用例対訳収集環境を提案し,その構築を行った.循環型多言語医療用例対訳収集環境は,用例対訳の不足が発生した場合に,用例対訳の収集・共有を行うシステムへとその状況を連絡し,必要な用例対訳が作成されると,支援システムへ提供するという仕組みを持つ.

KS-1
題名(企業展示) Webインタラクション分析支援環境ITR-Recorder & Player
著者中道 上 (南山大学), 木浦 幹雄 (キヤノン株式会社), 山田 俊哉 (総合研究大学院大学), 栗山 進 (株式会社ミツエーリンクス), 上野 秀剛 (奈良工業高等専門学校)
Pagep. 1713

KS-2
題名(企業展示) ITS通信アプリケーション評価用統合シミュレータ
著者吉岡 顕 (トヨタIT開発センター 研究開発部), 大西 亮吉 (トヨタIT開発センター)
Pagep. 1714

KS-3
題名(企業展示) Scenargie(シナジー)による大規模モビリティシミュレーション
著者金田 茂, 前野 誉 (スペースタイムエンジニアリング)
Pagep. 1715

KS-4
題名(企業展示) らくらくホンベーシック3向け「つながりほっとサポート」サービス
著者土井 千章, 中川 智尋, 木南 克規, 吉川 貴, 太田 賢, 稲村 浩 ((株)NTTドコモ)
Pagep. 1716

KS-5
題名(企業展示) AndroidTM端末のアプリ管理 〜ホワイトリスト方式による端末保護〜
著者竹森 敬祐, 川端 秀明, 磯原 隆将, 窪田 歩 (KDDI研究所), 池野 潤一 (KDDI)
Pagep. 1717

KS-6
題名(企業展示) ICカードの実装安全性標準評価ボードSASEBO-W −サイドチャネル解析のデモンストレーション−
著者片下 敏宏, 堀 洋平, 佐藤 証 (産業技術総合研究所)
Pagep. 1718