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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム

セッション 8H  クラウドコンピューティング(2)
日時: 2011年7月8日(金) 10:30 - 11:45
部屋: アメジスト
座長: 金井 敦 (法政大学)

8H-1 (時間: 10:30 - 10:55)
題名クラウドコンピューティング環境でのマルチコアプロセッサの停止故障を考慮したタスクスケジューリング
著者*後藤田 祥平 (奈良先端科学技術大学院大学), 柴田 直樹 (滋賀大学), 山内 由紀子 (九州大学), 伊藤 実 (奈良先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 1595 - 1603
Keywordクラウドコンピューティング, マルチコア, スケジューリング, 停止故障
Abstract本稿では,データセンタの計算機の多くがマルチコアプロセッサを搭載している環境において,停止故障を考慮したタスクスケジューリング手法を提案する.提案手法では,ネットワークコンテンションを考慮し,停止故障発生時には回復処理を行った上でのタスク終了までの時間を目標実行終了時間内に抑えた上で,停止故障が発生しない場合のタスク処理時間を最小化する.本手法を実現するため,ネットワークコンテンションを考慮した既存のタスクスケジューリングを拡張した.提案手法をシミュレーションにより既存手法と比較し,本手法の有効性を示す.実験の結果,停止故障発生時のレイテンシを含む処理時間を既存手法の約半分に減少させることができ,停止故障非発生時の処理時間増加もわずかにとどまることが確認できた.

8H-2 (時間: 10:55 - 11:20)
題名天気予報を用いた太陽光発電によるグリッドの運用の検討
著者*藤井 賢一 (東洋大学大学院工学研究科情報システム専攻), 山際 基 (東洋大学総合情報学部), 上原 稔 (東洋大学大学院工学研究科情報システム専攻)
Pagepp. 1604 - 1610
KeywordグリーンIT, グリッド, 太陽電池, リユースPC
AbstractグリーンITの観点から,使用されなくなった旧型モデルPCを再利用する手段としてグリッドを考えた. しかし,旧型PCを再利用する場合,グリッドは常に電力を消費するので計算処理に対するエネルギー効率が悪い場合があり,省エネルギーではない.その点はグリーンITとしては好ましくないといえる.そこで,自然界に存在する太陽光エネルギーの様なCO2の発生を伴わないエネルギー,クリーンエネルギーを用いることでこの難点を克服する事を考えた.そこで本研究では,クリーンエネルギーである太陽光発電によって電力を確保する事でデメリットを解決し,CO2排出量削減効果と資源の再利用を結び付けて実現することを目的としている. 本論文では,システムが外部から天気予報のデータを得る事で,そのデータに基づいてバッテリーマージンを動的に変化させる事で,システムの継続的な稼働,かつ効率の良い運用を目的とした,天気予報を用いたシステムの動的な動作条件変化における運用を提案し,評価としてシミュレーションを行った.

8H-3 (時間: 11:20 - 11:45)
題名ライブマイグレーション中の仮想計算機上のプロセスの性能に関する考察
著者*久野 陽介, 新居 健一, 山口 実靖 (工学院大学大学院電気・電子工学専攻)
Pagepp. 1611 - 1620
Keywordクラウド, VM, Xen
Abstractクラウドコンピューティングや,仮想化技術を用いたサーバ統合の普及により,VMのマイグレーションが広く行われるようになった.ライブ型マイグレーションはVM上のプロセスを停止することなくVMを移動させることができるため特に注目されているが,ライブ型マイグレーション実行中は移動中VM上のプロセスの性能や,移動元ホストにて稼働中のVM上のプロセスの性能,移動先ホストにて稼働中のVM上のプロセスの性能などが大きく低下してしまうことが予想され,詳細な調査が重要であると考えられる. 本稿では,ライブマイグレーション実行中のVMの性能に注目し,その性能に関する考察を行った.調査の結果,移動中VM上におけるCPU演算性能の劣化は小さいがI/O処理の性能劣化は大きいこと,ネットワーク速度が低い場合は性能劣化が小さいこと,移動元ホストにおける性能劣化が移動先ホストにおける性能劣化よりも大きいことが確認された.