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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム

セッション 8C  トラストとヒューマンインタフェース
日時: 2011年7月8日(金) 10:30 - 12:10
部屋: エメラルド
座長: 野秋 浩三 (NTT ドコモ)

8C-1 (時間: 10:30 - 10:55)
題名一般ドライバの安心に関する質問紙調査
著者*藤原 康宏 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部), 永吉 孝行, 西山 義孝 (UDトラックス), 村山 優子 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
Pagepp. 1476 - 1481
Keyword安心, トラスト, 安全運転, 質問紙調査
Abstract安全運転を支援するために,様々な安全技術やそれを実装した車両が開発されている.しかし,安全な車社会を実現するためは,安全技術のみで解決できない人間的な要因があると考えられる.本研究では,その人間的な要因をトラストの概念から明らかにするために,安全運転に対してトラックドライバと一般のドライバが感じる安心感の要因について調べるための質問紙調査を実施した.その結果,トラックドライバは,安心して運転するためには,安全確認を最も重視しており,ついで車両や走行環境を重視していたが,一般のドライバは,車両の状態をより重視していることが分かった.また,安心の要因に対しては,トラックドライバは,一般ドライバに比べて,車両そのものだけでなく,「運転環境」,「リスクのある状況での確認」,「運転前の初期状態」を重視していることが分かった.

8C-2 (時間: 10:55 - 11:20)
題名テキスト系CGM利用における不安調査結果に対する一考察
著者*山本 太郎, 植田 広樹, 高橋 克巳, 平田 真一 (日本電信電話株式会社 NTT情報流通プラットフォーム研究所), 関谷 直也, 中村 功 (東洋大学 社会学部), 小笠原 盛浩 (関西大学 社会学部), 橋元 良明 (東京大学大学院 情報学環)
Pagepp. 1482 - 1489
Keyword安心, 不安, インターネット, アンケート調査
Abstract我々はネットワーク利用における「安心」について,最終的にはその獲得ソリューションの確立を目指し,主に社会科学的アプロ―チからの研究に取り組んでいる.我々は,これまで様々な形で,ネットワーク,特にインターネット利用時の不安に関する調査を行ってきたが,具体的な個別サービスに特化した不安に関する調査は行っていなかった.そこで,我々はテキスト系CGM(Consumer Generated Media) における特定サービスを利用する際の不安について,男女50 票ずつを目標として,Web 上で自由回答を中心としたアンケートを実施した.本論文では,スクリーニング結果と9 つのサービスに対する本調査のうち,Twitter 利用者について分析した結果について紹介する.

8C-3 (時間: 11:20 - 11:45)
題名メール誤送信を防止する不快なインタフェースの評価システムの実装
著者*向井 未来, 藤原 康宏, 村山 優子 (岩手県立大学大学院 ソフトウェア情報学研究科)
Pagepp. 1490 - 1497
Keyword不快なインタフェース, メール誤送信, 警告インタフェース, 実験システム, ヒューマンファクタ
Abstract近年,メールの誤送信が情報漏洩の原因になるなど,問題となっている.本研究では,特に宛先アドレス間違いによる誤送信の問題を解決するため,不快感を与えてユーザに危険な状態であることに気づかせ,自発的な危険回避を支援する不快なインタフェースを用いることにした.先行研究では,メール誤送信防止システムの実装と評価を行ったが,ユーザの誤送信回避が,不快なインタフェースの提示によるものかを実証できなかった.本研究では,先行研究でデータの不足により証明できなかった不快なインタフェースの有効性の評価を目的とした,ユーザ動作のログ取得を行う実験システムを構築した.また,実装した不快なインタフェースの提示によって誤送信を防止できたかを検証する実験を行った.

8C-4 (時間: 11:45 - 12:10)
題名対人コミュニケーションの特性を支える温度情報をやり取りするモデルの研究
著者*田口 聖久, 三末 和男, 田中 二郎 (筑波大学大学院 システム情報工学研究科 コンピュータサイエンス専攻)
Pagepp. 1498 - 1506
Keyword対人コミュニケーション, 温度メディア, 温度感覚, 双方向性, 対面性
Abstract対人コミュニケーションの機会は身の回りにあふれており,その支援は生活をより豊かなものにする.対人コミュニケーション支援にコンピュータ・ネットワークを用いる研究は多数あり,その中でも,数は少ないが,温度に関係するやり取りを行う手法を採用するものがある. それら先行研究におけるコミュニケーションのための温度情報の利用は,対人コミュニケーションのメディアとしては改善の余地がある.例えば,メッセージの送り手がボタンを押すことやデバイスに力を加えることで遠隔地にいる受け手を温める/冷やすというものがある.しかし,受け手を温めたいとする送り手は,受け手がどの程度温められているかを知ることができない.情報の流れが一方的となり,対人コミュニケーションの本質的特徴とされる双方向性が欠如している. そこで本研究では,双方向性を支えるモデルとなる「双方向的加熱/冷却モデル」を構築した.さらに,このモデルを実現するために,プロトタイプシステム「Thermo-net」を開発した.送り手を温めよう/冷やそうとする意思の強さに応じて,送り手自身へも同様の,あるいは反対の温度提示をさせる機構を実装した. また,メッセージ伝達タスクにおける難易度について実験を行った.提案モデルでポジティブなコメントを得て,提案モデルの双方向性の実現によって送り手が意図したメッセージが作りやすくなることが分かった.