題名 | 観光案内を題材とした情報弱者のためのユーザインタフェースの実装 |
著者 | *稲永 真一 (福岡工業大学大学院 情報工学部 情報工学専攻 杉田研究室), 杉田 薫 (福岡工業大学), 岡 哲史 (日本大学), 横田 将生 (福岡工業大学) |
Page | pp. 1029 - 1034 |
Keyword | デジタルデバイド, ユニバーサルマルチメディアアクセス, ユーザインタフェーススイッチング, ユーザインタフェース |
Abstract | 近年、インターネットやWebの普及に伴い、コンピュータ上では様々な組み合わせたマルチメディア情報が利用されている。一方、その利用者は子供から老人まで広がり、利用者の能力や情報端末の性能、ネットワーク特性の違いからデジタルデバイドが重要な問題となってきている。 本研究では、デジタルデバイドの解消を目指し、ユニバーサルマルチメディアアクセスの概念をサポートするためのユーザインタフェーススイッチングを提案しており、利用者のコンピュータスキルやコンピュータの性能に合わせたユーザインタフェースの提供を目的としている。 本研究で提案するユニバーサルマルチメディアアクセスは,従来の「いつでも」「どこでも」を実現する概念に加えて,新たに「だれでも」を含むユニバーサルアクセスを実現するために,利用者の能力や特性に着目し,3つの利用環境の違い(利用者の能力,情報端末の性能,ネットワーク特性)を考慮してマルチメディア情報を提供するための概念として整理し,定義したものである。 我々が提案するユニバーサルマルチメディアアクセスは、3つのスイッチング機能(ユーザインタフェーススイッチング,メディアスイッチング,QoS制御)を選択的に実行することで利用環境に応じたマルチメディア情報を提供する。 ユーザインタフェーススイッチングとは利用者の言語能力やコンピュータの熟練度、情報端末の性能に応じたユーザインタフェースを提供する機能である。 (U1) 言語能力 文章表現 (U2) コンピュータの熟練度 UIの種類、注釈の有無 (U3) 情報端末の表示サイズ メディアサイズ,文字サイズ、メディア数,文字数 (U1)は言語能力のレベルが低い場合,簡素な文章表現を提供し,言語能力がない場合に文章の変わりに音声や画像,動画が提供されるように設定される。同様に(U2)はコンピュータの熟練度に関しても,コンピュータの熟練度のレベルに応じて提供されるUIの種類や,注釈の有無が変更される。また,これらとは別に身体能力の違いによって操作方法と表示方法を変更する。 本研究で提供されるユーザインタフェースは、まず利用者の操作スキルに合わせた放送型、操作型、検索型の3つの機能に分類される。さらに3つの機能に対し、それぞれ動画、画像・テキスト、テキスト、アスキーアートの4種類のメディアが提供される。各ユーザインタフェースの機能の特徴を以下に示す。 (IM1-1)放送型−アスキーアート(AA) アプリケーションが起動されると、動画を文字や記号に変換されたテキスト形式の動画が自動的に再生される。利用者は再生中に操作できない。 (IM1-2)放送型−テキスト アプリケーションが起動されると、テキスト形式の動画が自動的に再生される。 (IM1-3)放送型−画像・テキスト アプリケーションが起動されると、画像が表示されテキストで説明するという動画が自動的に再生される (IM1-4)放送型−動画 アプリケーションが起動されると、動画が自動的に再生される (IM2-1)選択型−アスキーアート(AA) アプリケーションが起動されると、文字や記号で表現された写真とテキストが表示され、利用者は項目から知りたい情報を選択する。 (IM2-2)選択型−テキスト アプリケーションが起動されると、テキストで項目が表示され、利用者は項目から知りたい情報を選択する。 (IM2-3)選択型−テキスト・画像 アプリケーションが起動されると、利用者は項目から知りたい情報を選択する。すると、画像とテキストによる説明が表示される。 (IM2-4)選択型−動画 アプリケーションが起動されると、動画の1シーンが表示され、見たい動画を選択すると、その動画が流れる。動画の再生中でも、最初のメニューに戻るなどの操作が可能である。 (IM1-3)検索型−AA(アスキーアート) 検索型−AAに、検索機能を追加したものである。知りたい情報を検索すると文字や記号で表現された写真とテキストが表示される。 (IM3-2)検索型−テキスト 選択型−テキストに、検索機能を追加したものである。知りたい情報を検索するとテキストが表示される。 (IM3-3) 検索型−テキスト・画像 選択型−テキスト・画像に、検索機能を追加したものである。知りたい情報を検索すると画像とテキストが表示される。 (IM3-4)検索型−動画 選択型−動画に、検索機能を追加したものである。知りたい情報を検索すると、その動画が流れる。 今回、鹿児島県の景勝地の動画を撮影し、観光案内のコンテンツを構築した。このコンテンツは景勝地に関する各場所1分前後のプロモーション動画をもとに、FLASHにより実装した。 今後の課題として、実装したインタフェースとスイッチング機能の評価、パソコン以外の情報端末のサポートが挙げられる。また、コンピュータの操作スキルと再生時間以外の要素を含めたユーザインタフェースと新たなスイッチング機能の検討が挙げられる。 |
題名 | プログラムコーディング過程を記録した動画教材の作成作業を支援するインタフェース |
著者 | *梶並 知記, 安田 光, 井上 亮文, 市村 哲 (東京工科大学) |
Page | pp. 1035 - 1042 |
Keyword | 教育支援, プログラミング支援, ユーザインタフェース, 動画教材作成, マルチメディアWebサービス |
Abstract | 本稿では,プログラミング講義において,教授者のプログラムコーディング過程を記録した動画教材の作成作業を支援するインタフェース「ProgRec」を提案する.プログラミング教育では,学習者が教授者のコーディング技術を参考にすることの有効性が知られており,また動画教材は,学習者の学習支援に有効である.しかしながら,教授者にとって動画教材の作成は負担が大きいという問題がある.本稿で提案するシステムは,教授者のコーディング過程をキー入力に応じて静止画で記録し,それを結合することで動画を生成するが,タイプミスなどによって生じる不要な静止画を自動的に削除し,冗長な動画の生成を防ぐ.また,コーディング中に随時短い解説(コメント)の挿入を可能にすることで,コーディング後に改めて動画編集作業を行う必要がないほか,コーディングから動画作成まで,他のシステムを一切使わずに行える.被験者に提案システムを用いた動画作成と従来システムを用いた動画作成を行ってもらう,動画作成作業の負担の少なさについて検証する実験行った結果,提案システムを用いることで,従来手法と比較して容易に動画教材の作成が可能なことを示す. |
題名 | 超解像技術による画像拡大の検討 |
著者 | *厚木 七恵 (東京工科大学バイオ情報メディア研究科コンピュータサイエンス専攻), 永田 明徳 (東京工科大学) |
Page | pp. 1043 - 1048 |
Keyword | 超解像, 画像処理 |
Abstract | 現在,表示機器の解像度が飛躍的に向上したため,大画面で表示すると画質が低下してしまうが,拡大しても画質が粗くならない拡大技術である超解像技術が研究されてきた.超解像技術とは,元の画像の高周波成分に関する情報を復元することで,画質の低下を防ぐ拡大技術である.本研究では,一定の速度で文字が移動し時間によって文字の位置や形も変わる映画のクレジットタイトルに絞り、映像を複数枚の画像ととらえ,画像から時間ごとに移動した同じ形の文字を複数個集めて画像にある同じ文字を重ね,超解像処理を行った.複数枚の超解像画像と従来の超解像画像のPSNR の値を比較し評価した結果,PSNR の値が高くなったため重複文字の超解像には効果があるとわかった. |
題名 | 近傍の状況を反映するディスプレイ「リフレクトアド」の構成法 |
著者 | 渡辺 浩志, *横山 正典, 木原 民雄 (NTTサイバーソリューション研究所) |
Page | pp. 1049 - 1056 |
Keyword | デジタルサイネージ, ディスプレイ, インタフェース |
Abstract | ディスプレイの小型化と低価格化が進み,薄く小さい可搬型のディスプレイを多数配置して商空間を構成できるようになってきた.多数の小型ディスプレイを用いる場合,ディスプレイ1台当たりの影響範囲が小さくなり,売り場の商品をより意識した情報提示が必要となる.現実の売り場では,ある商品が売れ切れてしまった場合に違う商品を配置したり,売れ行きや季節を反映して商品の配置を変更したりするような調整が常に行われている.現状では,ディスプレイにどの商品のどのような情報を提示するかは人手によって設定されており,今後,この作業コストが増大していくことが予想される.ネットワークを利用してコンテンツの設定や更新ができれば,営業中に店員がディスプレイの位置を頻繁に変えたり,ディスプレイの数を増減したりすることが容易になる.本稿では,近傍の商品およびディスプレイの位置に応じた情報を,ネットワークを介して自動的に検索して提示するディスプレイ「リフレクトアド」を提案し,その構成法を明らかにした. |