(セッション表へ)

マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム

セッション 5C  コミュニケーション支援
日時: 2011年7月7日(木) 10:00 - 11:40
部屋: エメラルド
座長: 大平 雅雄 (奈良先端科学技術大学院大学)

5C-1 (時間: 10:00 - 10:25)
題名システムへの定期的な機能追加によるユーザのモチベーション維持効果の検証
著者*狩野 翔, 福島 拓 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 吉野 孝 (和歌山大学システム工学部)
Pagepp. 836 - 843
Keyword協調作業支援, 共有仮想空間, モチベーション維持, 用例評価, Webサービス
Abstract現在,モチベーション維持に関する研究が行われている.しかし,「日常的に行わない」作業を対象とした支援は十分に考慮されていない.「日常的には行わない」作業では,「日常的に行う」作業に対して存在する「やらなければならない」という気持ちが支援対象者の中に少なく,モチベーション維持を支援することは難しい.そこで本稿では,非日常的な作業として「医療分野向け用例の評価」を対象とし,そのモチベーション維持支援を行った.その手段として,モチベーション維持支援システムにおいて,定期的なシステム機能の追加を行った.本稿では,定期的に機能を追加することによる,ユーザのモチベーション維持効果を検証を行った.本稿の貢献は次の2点にまとめられる.(1)用例評価のモチベーション維持支援システムに対し,定期的に機能を追加することはシステムを利用するきっかけになり,モチベーション維持の可能性があることを示した.(2)「自分の成果を可視化する」機能は,ユーザのモチベーション維持に一定の効果を示した.

5C-2 (時間: 10:25 - 10:50)
題名WebNグラムを用いたオンライン翻訳リペア手法の提案
著者*市村 哲, 松浦 純樹 (東京工科大学)
Pagepp. 844 - 851
Keyword翻訳サービス, 日本語入力, Webサービス
Abstract近年,電子メールや掲示板,チャットなどにおいて,母国語以外の他言語を用いてコミュニケーションをする機会が増加しており,インターネットユーザーの間では,母国語を他言語に機械翻訳するために翻訳サイトを利用することが一般化しつつある.しかしながら,機械翻訳の翻訳精度には限界があるため,一度で実用的な翻訳結果を得ることは難しいという問題がある.この問題に対して,折り返し翻訳が有効であることが知られている.本研究では,オンライン翻訳結果と折り返し翻訳結果を表示する日本語入力システムを開発した.WebNグラムを利用し,オンライン類語辞書サービスから取得した類語の提示順序を最適化することで,翻訳リペアの手間の低減,および,機械翻訳の品質向上を可能とした.日本語入力時に,入力した日本語の類語とその類語の使用頻度を表示し,より良い翻訳結果を使用者が選択できるようになっている.

5C-3 (時間: 10:50 - 11:15)
題名折り返し翻訳を用いた高精度なコミュニケーションのための複数翻訳機を用いた精度不一致検出サービスの提案
著者宮部 真衣 (東京大学知の構造化センター), *吉野 孝 (和歌山大学システム工学部)
Pagepp. 852 - 857
Keyword折り返し翻訳, 機械翻訳, 多言語間コミュニケーション
Abstract機械翻訳を介したコミュニケーションでは,翻訳精度が低い場合,十分な相互理解ができない可能性が高い.現在,母語のみを用いて自分の発言がどのように伝わっているのかを把握するための手法として,折り返し翻訳が用いられている.対象言語翻訳文と折り返し翻訳文の精度の同等性に関する検証を行った結果,対象言語翻訳文と折り返し翻訳文の精度不一致が発生するケースが見られた.特に対象言語翻訳文の精度が低いにもかかわらず折り返し翻訳翻訳文の精度が高い場合,大きな問題となる.そこで本研究では,複数翻訳機を利用した精度不一致の検出手法について検討を行う.本稿では,提案手法による精度不一致の検出可能性について検証する.

5C-4 (時間: 11:15 - 11:40)
題名複数作業者に対応した遠隔地間作業指示支援システムSPRInTx
著者*阪本 敦哉, 鈴木 直義, 湯瀬 裕昭, 渡邉 貴之 (静岡県立大学大学院経営情報学研究科)
Pagepp. 858 - 864
Keyword遠隔教育, マルチメディアシステム, 電子会議, 応用・社会システム, 実世界指向インタフェース
Abstract著者らは,これまでにスマートフォンを用いた遠隔地間作業指示支援システム「SPRInT」を開発し,評価実験を実施済みである.その結果,システムを使用することによって作業時間が短縮され,システムの有効性を確認した.ここで,「SPRInT」は単独作業者に対し作業指示を支援するシステムとなっていた.一方,同種の製品を大量に組み立てるような作業の場合には,作業時間の短縮化のため一名ではなく複数の作業者で同時並行的に作業を行うこともある.このような場合に,遠隔地から作業指示を行うためには,複数作業者へ対応した支援システムを用いる必要がある. 本研究では,「SPRInT」を複数作業者への作業指示に拡張したシステム「SPRInTx」を開発した.開発したシステムを用いて評価実験を行い,作業者数が増加するにつれて作業効率や指導者への負担がどのように変化するのかについて考察した.