題名 | 協調隊列自動走行が周辺に与える影響を考慮した追い越し優先権制御方式 |
著者 | *鈴木 理基, 原田 亮, 神田 翔平, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科) |
Page | pp. 806 - 813 |
Keyword | グリーンITS, 協調隊列走行, 車車間通信, 排他制御 |
Abstract | 交通状態を改善するシステムのひとつとして,協調自動隊列走行が研究されている. 隊列走行では,複数の車両が高密度な車群を形成しながら走行するので,道路上の長 い距離を専有しながら走行する.従って,片側二車線の道路において,隊列の前方か ら低速車両,後方から高速車両が接近すると低速車両が隊列に追い越される動作と高 速車両が隊列を追い越す動作が同時に発生し,いずれかの車両が本来意図していたも のとは異なる動作を強いられる.本稿ではこの干渉を回避するため,追い越し優先権 の制御方式を提案する.token-based アルゴリズムに基づいて高々1 台のみが隊列の 横を走行することで、不要な加減速による二酸化炭素消費を低減する.シミュレーショ ン評価により、提案アルゴリズムの有効性を示す. |
題名 | マルチレスポンス通信を用いた隊列走行車両管理通信手法 |
著者 | *神田 翔平, 鈴木 理基, 原田 亮, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科) |
Page | pp. 814 - 821 |
Keyword | 協調隊列走行, Bloom-Filter, 車車間通信, マルチキャスト |
Abstract | 高速道路上で複数のトラックが短い車間距離を保ちながら高密度に走行し,燃費消費効率,道路容量を向上することを目的とした協調隊列自動走行に関する研究が行われている.これを実現するために用いられる従来のOne-Request/One-Response 型車車間通信では,隊列内車両台数の増加と共に通信量が増加し,効率的でない.そこ で,本稿では一台が送信したリクエストに対し隊列内全車両がレスポンスを返信する,One-Request/Multi-Response 通信を提案する.提案手法は,隊列フィルタを用い隊列内車両を判断し隊列内マルチキャストを実現する.これにより通信の回数を減らし,通信の効率化を行う.提案手法の性能を計算機シミュレーションにより評価する.リクエストレスポンス通信完了までの時間,要求時間内でのリクエストレスポンス通信達成率,データ量において本提案が有効であることを示す. |
題名 | 歩車間通信における700MHz帯と5.8GHz帯の利用形態の検討 |
著者 | *馬場 秀芳, 久保 敦, 屋代 智之 (千葉工業大学) |
Page | pp. 822 - 828 |
Keyword | ITS, 歩車間通信, 車車間通信, 歩行者間通信 |
Abstract | ITS(Intelligent Transport Systems)では,交通事故を削減する研究が行われている.その研究分野の1つとして車両と車両で直接通信を行う車車間通信がある.しかし,交通事故は車両だけの問題ではなく歩行者のことも考えなければならない.また,新たにITSの分野に700MHz帯の周波数帯域が割り当てられることとなった.そこで本研究では,700MHz帯と5.8GHz帯の2つの周波数帯域を利用して歩行者と車両を直接通信させる歩車間通信の方法を提案し,700MHz帯と5.8GHz帯の周波数帯の利用形態について検討を行う. |
題名 | ITS通信システムシミュレーションにおけるフェージングモデルの実装 |
著者 | *金田 茂 (スペースタイムエンジニアリング/大阪大学), 前野 誉 (スペースタイムエンジニアリング), 高井 峰生 (早稲田大学/UCLA), 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学) |
Page | pp. 829 - 835 |
Keyword | フェージング, 電波伝搬, シミュレーション, ITS |
Abstract | ITS における無線通信システムをシミュレーション評価するためには,無線伝播環境をモデル化する必要があり,特に都市部などのマルチパス環境では,フェージングの影響が大きくそれらを適切にモデル化する必要がある.本稿では,一般的に良く行われるオフライン型のフェージングモデルについて周期性に関する課題を明らかにする.また,周期性の課題を解決する方法として,シミュレーション中にリアルタイムにフェージング波形を生成するオンライン型のモデルについてシステムシミュレータに実装し,オフライン型との比較を含め性能評価した結果について述べる.その結果,オンライン型モデルの実行時間は,オフライン型モデルに比べ増加するものの,オフライン型モデルやフェージングなしの場合に比べ20%程度の一定量の増加に収まることがわかった.また,メモリ使用量は,オフライン型モデルが車両台数や車両間の相対速度に依存して増大する一方、オンライン型モデルはこれらにに依存せずフェージングなしの場合に比べ20%程度の一定量の増加であることがわかった.以上より,オフライン型モデルは,ITS の通信システムシミュレーションにおいて有効な実装方法であることを確認した. |