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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム

セッション 3G  プライバシー保護
日時: 2011年7月6日(水) 17:55 - 19:10
部屋: オパール
座長: 白石 善明 (名古屋工業大学)

3G-1 (時間: 17:55 - 18:20)
題名既知ユーザ攻撃によるユーザ情報の漏洩リスクを低減した条件マッチング連係方式
著者*竹之内 隆夫, 南澤 岳明, 伊東 直子 (日本電気株式会社 サービスプラットフォーム研究所)
Pagepp. 528 - 535
Keyword情報漏洩, 事業者連係, ID管理, プライバシ保護
Abstract近年,様々なサービス事業者で膨大なユーザ情報が収集されている.今後は,これらユーザ情報を組み合わせたサービスが生まれてくると期待されている.著者らは,比較的計算量が少ない方式で,多数の事業者がもつ膨大なユーザ情報を開示せずに,条件に合致するユーザを抽出する方法について研究しており,条件マッチング連係方式を提案した.しかし,この方式には,ある事業者が一部のユーザについてのユーザ情報を背景知識として持っていると,他の事業者のユーザ情報を推測出来てしまうという推測攻撃が存在する.著者らは,これを既知ユーザ攻撃と呼んでいる.そこで,本論文では,条件マッチング連係方式を拡張し,既知ユーザ攻撃によるユーザ情報の漏洩リスクを低減する新たな連係方式を提案する.また,漏洩リスクを算出するための評価式を用いて本方式の評価を行い,本方式によって既知ユーザ攻撃によるユーザ情報の漏洩リスクが低減することを示す.

3G-2 (時間: 18:20 - 18:45)
題名摂動化によってプライバシーを保護した情報推薦方式
著者*望月 安菜, 菊池 浩明 (東海大学大学院 工学研究科 情報理工学専攻)
Pagepp. 536 - 541
Keywordプライバシー保護, ベイズ推定, 協調フィルタリング
Abstractプライバシーを保護したまま,摂動化したデータから再構築を行う新しい情報推薦 方式を提案する.提案方式は,摂動化により一定確率で評価値をランダマイズするこ とでプライバシーを保護する.また,ベイズ推定による再構築によって,アイテム間 類似度をオリジナルデータへ近似させることが出来,情報推薦の精度が向上すること を示す.

3G-4 (時間: 18:45 - 19:10)
題名統計情報を用いた個人情報露出量算出方式の検討
著者*松永 大希, 金井 敦 (法政大学工学研究科情報電子工学専攻)
Pagepp. 542 - 549
Keywordブログ, 個人情報, 個人情報露出量, 統計情報
Abstract個人情報保護法の施行に伴って,近年個人情報の保護に対する意識が急激に高まっている.一方でブログやソーシャルネットワーキングサービス等の普及によって,パソコンや携帯電話を利用して個人が情報を気軽に発信できる機会が増え,無意識に個人情報を露出ケースが多く見られるようになってきた.このような情報露出を未然に防ぐためには,本人がどの程度情報が露出しているかを自覚しなければならない.そのために自動的に情報の露出状況を判断し,数値化して個人に示すモデルが必要である.本稿ではモデルにおける露出状況の統計情報を用いた算出方式についての提案を行う.既存の方式では露出状況をその情報を持つ人が情報項目においてどのように分布しているかを想定し,エントロピーと同様の計算方式で平均した値を算出しているが,情報を持つ人の分布が大きく偏っている場合や想定した値と実際の値に差がある場合などには算出したその情報が持つ正確な情報量を表現することは困難になる.正確な露出状況を表現するために,露出状況をエントロピー的に算出するのではなく,実際に存在する統計情報からその情報を持つ人数を求め,露出状況を表現する方式について検討する