題名 | Android端末の解析に基づく無線LAN通信の性能向上のための一検討 |
著者 | *三木 香央理 (お茶の水女子大学院人間文化創成科学科理学専攻小口研究室), 小口 正人 (お茶の水女子大学理学部情報化学科) |
Page | pp. 1769 - 1774 |
Keyword | Android, スマートフォン, 組込み機器, モバイル端末, ソフトウェアプラットフォーム |
Abstract | 近年,スマートフォン市場の成長に伴い,携帯端末で動作する組込み機器のソフトウェアプラットホームとしてGoogle社開発のAndroidが注目されている. アプリケーション開発や柔軟な拡張性において注目度の高いAndroid携帯に対し,本研究ではそのサービス提供を可能にしたシステムプラットホームとしてのAndroidに焦点を当て,特にそのネットワーク能力およびネットワークコンピューティング能力について評価する. Androidのソースコードをx86系CPU搭載パソコン上で動かし,その無線ネットワークにおける通信能力について解析し,そのトランスポート層を 最適化することで,より高性能な通信を目指す. |
題名 | 多様なノード移動制約と地理制約を指定できるWaypointモビリティモデルの提案 |
著者 | *上野 瑛次郎, 廣森 聡仁, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学 大学院 情報科学研究科) |
Page | pp. 1775 - 1782 |
Keyword | モビリティモデル, ネットワークシミュレーション, 性能評価 |
Abstract | モバイルワイヤレスネットワークにおいては,対象とする領域のノード密度分布やノードの移動がネットワーク性能に大きな影響を与えることが知られている.したがって,性能評価や信頼性の評価をシミュレーション実験で網羅的に行うためには,様々なノード移動パターンやノード密度分布を実現できる移動モデルが求められる.Random Waypointモデルなどに代表される汎用性の高いモビリティモデルでは,あるランダムな移動パターンを想定するのみであり,指定されたノード密度分布を実現することは考慮されていない.本稿では,ノードの移動速度や滞在時間などの移動制約だけでなく,ノード密度分布などの地理制約を満たすモビリティモデルを導出する手法を提案する.この地理制約では,ノード密度が高い領域とノード密度が低い領域の二種類を設定することができ,これらを組み合わせることで多様なノード密度分布を生成することができる.評価実験では,提案手法により導出したモビリティモデルにより,指定した領域のノード密度と他の領域のノード密度との間で明確な差をつけることができ,パラメータ変更のみで現実的なノード密度分布を簡単に導出できることを示した. |
題名 | 移動透過通信を利用したIPマルチキャストに関する考察 |
著者 | *鎌田 恵介 (広島大学 工学研究科), 関 顕生 (広島大学大学院 総合科学研究科), 正岡 元, 近堂 徹, 相原 玲二 (広島大学 情報メディア教育研究センター) |
Page | pp. 1783 - 1789 |
Keyword | IPマルチキャスト, 移動透過通信, ストリームアプリケーション |
Abstract | 昨今のIP対応機器の急速な増加と回線の高速化により,インターネット経由で大容量コンテンツをリアルタイムに多数に配信する要望が高まっており,移動端末で映像コンテンツを視聴するといった場面も増えてきている.しかし,現在一般的に使われているユニキャスト方式の通信では,配信規模が大きくなるほどネットワークの帯域を圧迫する.IPマルチキャストを用いることで帯域効率の良い同時多数配信を行えるメリットがあるが,通信しながらネットワーク間を移動すると切り換え及びマルチキャストツリーの再構築に伴う途絶が発生するというデメリットもある.本稿では,IPマルチキャストを受信しながらネットワーク移動をする際,一時的に複数の物理ネットワークインタフェースを使用してネットワーク切り換え時のストリーム途絶を吸収する方式を提案し,その設計及び利用シーケンスを説明する. |
題名 | 移動型ノードを用いたセンサデータ収集におけるデータ収集量向上のための通信方式 |
著者 | *清野 航, 坂下 卓 (大阪大学 大学院情報科学研究科), 義久 智樹 (大阪大学 サイバーメディアセンター), 原 隆浩, 西尾 章治郎 (大阪大学 大学院情報科学研究科) |
Page | pp. 1790 - 1797 |
Keyword | センサネットワーク, ユビキタスセンサ環境, 大規模センシング, センサデータベース |
Abstract | 近年,街中の環境把握や気象予測のため,移動型ノードを用いたデータ収集方式が研究されている. 移動型ノードがセンシング領域を移動して各センサから直接データを収集することで, センサネットワークを構築してデータ収集する場合に比べて通信量を削減できる. これまでに,移動型ノードを用いたデータ収集方式として,公平性を考慮した手法が提案されているが, 各センサに対する通信時間のデータ収集量が少なくなるという問題があった. そこで本研究では,公平性を確保しつつ,データ収集量を向上する通信方式を提案する. 提案方式では,新たなセンサを発見できなかった場合, 通信済みのセンサと再度通信を行う.性能評価の結果,提案手法の有効性を確認した. |
題名 | 移動ネットワーク環境におけるSNMPを用いた情報収集手法 |
著者 | *中村 直毅 (東北大学医学系研究科), 丸山 貴史 (東北大学情報科学研究科), 菅沼 拓夫 (東北大学電気通信研究所), Glenn Mansfield Keeni (サイバー・ソリューションズ), 白鳥 則郎 (東北大学電気通信研究所) |
Page | pp. 1798 - 1807 |
Keyword | NEMO, SNMP, 監視, 移動ネットワーク, モビリティ |
Abstract | ネットワークモビリティ(NEMO)プロトコルが用いられる環境では,モバイルノーやモバイルルータがネットワーク間を移動するため,ネットワーク構成の変化が頻繁に発生する.このような移動ネットワーク環境を遠隔監視する場合,不安定な通信環境のため,収集する管理情報が経路途中で頻繁に損失する問題が生じる.また,監視トラフィックが通信帯域占有し他の通信を阻害するといった問題も起きる.そこで本稿では,これらの問題を解決するため,モバイルルータにおいて,管理情報を一時的にバッファリングし,監視トラフィックの配送を分散する手法とSNMP メッセージを集約し,監視トラフィックを大幅に圧縮する手法を提案する.評価実験を通して,提案手法が効果的に機能することを確認し,その有効性を示す. |