題名 | 有線・無線組合せデジタル・ディバイド解消システムのフィールド試験報告 |
著者 | *村田 嘉利 (岩手県立大学 ソフトウェア情報学部), 真野 浩, 森岡 仁志 (ルート株式会社) |
Page | pp. 1630 - 1637 |
Keyword | デジタル・ディバイド, 海底ケーブル, WiMAX, IPマルチキャスト |
Abstract | 東北地域には,地上波デジタルテレビ放送および高速インターネットのサービスを受けられない地域が多数存在する.この二つのデジタル・ディバイドの問題を経済的に問題解消するシステムとして,対象エリア内では光ファイバを用いてチェイン状に各戸を結び,対象地域までのエントランス回線として地域WiMAXを使用するシステムを提案する.これまでに二つのデジタル・ディバイドエリアの現地調査を行った結果を報告した.また,大学において提案システムの伝送特性,海底ケーブル敷設の耐衝撃性に評価を行い,問題ないことを確認し,報告している.以上の結果を受けて2009年12月から2010年3月まで,岩手県北上市更木においてフィールド試験を行った.その結果,住民自らネットワークを構築できる可能性があり,少しトラブルはあったが,冬季でも問題なく動作することを確認した.本論文では,フィール試験を中心に報告する. |
題名 | 呼吸に同期させた香りの切り替え手法 |
著者 | *杉本 紗友美, 野口 大介 (慶応義塾大学大学院 理工学研究科), 坂内 祐一 (キヤノン株式会社), 岡田 謙一 (慶応義塾大学 理工学部) |
Page | pp. 1638 - 1645 |
Keyword | 香り, 嗅覚情報, パルス射出, 嗅覚ディスプレイ, 切り替え |
Abstract | 映像メディアでは,シーンの切り替えが多くみられ,それに合わせて香りを切り替えることにより更なる臨場感が得られると考えられる.しかし,これまでの香りディスプレイでは微少な制御ができず,残り香や順応といった嗅覚特有の問題点を克服できなかったため, 高速な香りの切り替え提示手法は研究されてこなかった.そこで我々は,微少時間の香り提示であるパルス射出を用いて,映像に同期して香りの切り替えを行える提示手法の構築を目指した.様々な香り提示パターンに対する嗅覚特性を測定した結果,高速切り替えに適した手法の構築に成功した.今後,映像や音声に香りを付加する際にこの手法を用いることで,今まで以上に臨場感を高めることが可能であると期待される. |
題名 | 視聴者コメントを用いた広告動画挿入タイミング決定アルゴリズムの提案 |
著者 | *齊藤 義仰, 長野 将広, 村山 優子 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部) |
Page | pp. 1646 - 1651 |
Keyword | インターネット放送, インタラクティブTV, 広告動画, ミッドロール型広告, 視聴者コメント |
Abstract | 動画共有サービス上の広告として,テレビのように動画の途中で広告動画を挿入する,ミッドロール型の広告手法が徐々に表れ始めている.しかし,既存のミッドロール型広告動画挿入手法では,一定の時刻になると時報のように広告動画を再生させたり,ランダムな再生時間に広告動画を再生させたりする手法が取られており,動画の視聴を妨げるタイミングで広告が再生されるという問題がある.そこで,動画の視聴を妨げないタイミングで広告動画を挿入するため,視聴者コメントを用いたミッドロール型広告動画挿入タイミング決定アルゴリズムを提案する.適切な広告動画挿入タイミングには,コメント数に何らかの変化があると仮定し,コメント数の特徴から視聴を妨げないタイミングを決定する.本稿では,広告動画挿入タイミング決定アルゴリズムを作成するための予備実験の結果と,提案アルゴリズムの詳細について報告する. |
題名 | 放送通信融合環境における再生中断時間短縮のための端末数を考慮したデータ配信手法 |
著者 | *後藤 佑介 (岡山大学大学院自然科学研究科), 義久 智樹 (大阪大学サイバーメディアセンター), 谷口 秀夫 (岡山大学大学院自然科学研究科), 金澤 正憲 (京都情報大学院大学) |
Page | pp. 1652 - 1659 |
Keyword | 放送通信融合環境, 連続メディアデータ, 再生中断時間, スケジューリング |
Abstract | 近年の放送通信融合環境の急速な発達にともない,音楽や映像といった連続メディアデータを受信しながら再生するストリーミング配信が注目されている.放送通信融合環境では,データを再生する端末は放送と通信の両方のチャネルを用いてデータを受信することで,再生時に発生する中断時間を短縮する.これまでの研究では,サーバは使用できる帯域幅に制限がない状況で放送と通信がどちらも同じデータを配信していたが,帯域幅に上限がある場合,データの受信時間が増加し,再生中断時間が増加する.そこで本研究では,クライアントの端末数を考慮したストリーミング配信の再生中断時間短縮手法を提案する.端末の視聴要求の到着間隔をもとに放送と通信でそれぞれ使用する帯域幅を設定し,データのどの部分を配信するかをスケジューリングすることで, 再生中断時間を効率的に短縮する. |