題名 | 動的ウェブページのブラウザ共有 |
著者 | 中村 大介, *疋田 輝雄 (明治大学理工学研究科) |
Page | pp. 1594 - 1604 |
Keyword | 共有ブラウザ, 協調ブラウジング, プロキシ, 動的ウェブページ, JavaScript |
Abstract | ユーザが利用しやすい協調システムを,簡単に実装できる汎用的な方式として,プ ロキシを用いてウェブページを共有可能なウェブページに書き換えるという手法を採 り上げ,詳しく考察し実現した.これはウェブサーバと各クライアントブラウザの間に 一つのプロキシを置いて,そこにウェブページのコピーを置き,ウェブリクエストと それへのレスポンスを仲介するものであり,以前から提案例のあるものである.スク リプトの同一生成元ポリシーにも対応できる.適用できるウェブページはHTML お よびXHTML,CSS,JavaScript からなるものである(Flash ページは扱えない). ブラウザの種類およびバージョンは問わない.この手法ではフォームのレスポンス, JavaScript の動作,Ajax など,つまり動的なページをも共有可能であることを示す. |
題名 | 忘却防止作用素によってファイル提供を促進するファイル配送システム |
著者 | *羽佐田 貴紀, 毛利 公美 (岐阜大学), 白石 善明 (名古屋工業大学) |
Page | pp. 1605 - 1613 |
Keyword | ファイル配送, ホスト間直接通信, 忘却防止作用素, 応答促進 |
Abstract | 本論文では,複数の組織間でファイルの伝達をスムーズに行うための仕組みを検討する.業務の中でのファイル送受信は,ファイル送信の契機という観点から“一方的にファイルを送るもの”と “ 要求されてファイルを送るもの”の2つのタイプに分類できる.これらのうち,円滑な業務遂行のためには,後者のケースについて遅滞なく行えるようにユーザを支援することが重要であるが,一般に送信者/受信者が異なる組織に属する場合は,それが難しくなる.提案方式は,ファイル提供を要求されたユーザの要求確認・ファイル送信にかかる操作負担を軽減するとともに,ユーザインタフェースに忘却防止作用素を導入することによって応答(ファイル送信)を促進させることを狙っている.これにより,円滑な業務の遂行を支援する. |
題名 | ソフトウェアの利用目的推定と操作予測方法 |
著者 | *岡原 弘典, 長島 勝 (三菱電機(株) 情報技術総合研究所) |
Page | pp. 1614 - 1619 |
Keyword | グループウェア, 操作ガイダンス, ユースケース |
Abstract | 開発環境などの対話型ソフトウェアは多くの機能を提供しており,ユーザは機能のいくつかをある順序で組み合わせて実行することで,目的とする作業を行っている.これらの手順をユーザへ提示する方法として,マニュアルやウィザード機能などがあるが,ユーザの実操作との対応が不明瞭である点や操作自由度が制限される点などの問題がある. 本稿では対話型ソフトウェア開発の上流工程で行われるユースケース分析フェーズに注目する.ここで列挙された複数のユースケースと,ユーザが実際に対話型ソフトウェアを使用した際の操作履歴との比較を逐次行うことで,ユーザの操作履歴を最も的確に表現しているユースケースを特定し,ユーザの目的作業を推定して,ユーザへ推奨する次操作の提示を行うシステムを提案する. また本稿では,提案システムの技術課題である,ユーザの操作履歴とユースケースの比較方法について,アルゴリズム案を提示した. |
題名 | OSS開発における保守対応の効率化のためのアウェアネス支援システム |
著者 | *伊原 彰紀, 山本 瑞起, 大平 雅雄, 松本 健一 (奈良先端科学技術大学院大学/情報科学研究科) |
Page | pp. 1620 - 1629 |
Keyword | オープンソースソフトウェア, 分散開発, アウェアネス, ソフトウェア保守 |
Abstract | ミッションクリティカルなシステムで利用されているオープンソースソフトウェア (OSS) は,OSS開発者によって不具合を迅速に修正する必要がある.しかしながら,OSSは言語や文化,習慣等が異なる世界中の不特定多数のボランティア集団によって開発を進められているため,OSS管理者が保守作業の適任者を特定することが容易でない.そこで我々は,OSSの保守作業を依頼すべき開発者を効率的に決定できるようにするためにアウェアネス支援システムACTION(Awareness Communication Tool for Interactive Open Negotiation)を開発した.ACTIONは(a) 保守対象のソースコードの開発に関与した経験のある開発者, (b) 開発者の活動地域と開発者の活動時間,をOSS管理者が直観的に把握できるよう支援することができる.本稿で,ACTIONが開発者の活動地域や活動時間によって生じるコミュニケーションの遅延を軽減できることを確認した. |