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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2010)シンポジウム

セッション 6E  屋内測位技術
日時: 2010年7月8日(木) 15:10 - 16:50
部屋: 弥生
座長: 河口 信夫 (名古屋大学)

6E-1 (時間: 15:10 - 15:35)
題名超音波を用いた屋内測位における広域化の検討と実験評価
著者*須永 光, 羽田 昂史 (神奈川工科大学 大学院 情報工学専攻), 秋山 征己, 五百蔵 重典, 田中 博 (神奈川工科大学 情報学部 情報工学科)
Pagepp. 1411 - 1417
Keyword超音波, 位置検出, 逆GPS, 屋内測位, 同期誤差
Abstract本研究では室内エリアでの人や移動物体の測位という観点で,100mm程度の精度を要求条件とし超音波を用いた測位システムについて検討した.超音波を利用する意義としては,超音波の方が電波を用いる方式に比べて指向性が強いためマルチパスの影響を受けにくいという点がある.また,センサ自体が安価で容易に入手できるという点があげられる.他にも電波法の制約を受けないことや,電波に比べて伝搬速度が遅いため超音波の伝搬時間差が大きくなるため,マイコンでの処理が容易であるということが挙げられる. より広域での測位を行うためには,受信センサを接続した受信回路を追加した構成で測位を行う必要がある.受信回路を複数用いて測位を行う場合,それぞれの受信回路内のH8マイコンのタイマカウンタを同時に開始する必要がある.その際,処理用PCから各受信回路内のH8マイコンにカウントアップ開始命令を同時に与えることが現試作装置の構成ではできないため,H8のカウントアップ開始に誤差が生じる.したがって,開始誤差である同期誤差を明らかにしてそれを補正する必要がある.カウントアップ開始命令送信時刻の差がカウントアップ開始誤差,命令を送信する通信時間の差が通信誤差であり,この二つの和が同期誤差となるとなる.複数の受信回路を用いて,同期誤差の算出方法を明らかにするとともに,その補正を行った状態で測位実験を行い手段の妥当性とともに,測位が問題なくできることを確認した.

6E-2 (時間: 15:35 - 16:00)
題名ライフログセンシングにおける停留判定精度向上のためのGPS測位誤差除去手法
著者*松倉 祐, 光山 哲平, 宮崎 孝信, 里中 裕輔 (立命館大学情報理工学部), 新井 イスマイル (立命館大学総合理工学部研究機構), 西尾 信彦 (立命館大学情報理工学部)
Pagepp. 1418 - 1425
KeywordGPS, 誤差除去, 停留判定, ライフログ
Abstract近年,複数のセンサを搭載した携帯端末が広く普及し,取得したセンサデータをライフログとして利用することができるようになりつつある. 中でもGPSで取得できる位置情報を用いたナビゲーションサービスなどが増え,将来的にはユーザが店舗に訪れた際にそのユーザがその店舗に何回も訪れていることがわかれば,その店舗の会員になるようにユーザに推薦するサービスなどが生まれると考えられる.\par しかし,GPSで取得した位置情報には,停止時の緯度経度に一定でないノイズが含まれる問題や,移動しているのに取得した移動速度が0km/hになるという問題がある. このように,緯度経度のノイズや移動速度の欠落が存在すると,ユーザが滞在したことを判定するのは困難である. 本稿では,ある特定の範囲内でのユーザの停留を判定するために,補正した移動速度を用いて停止時の始点と終点の緯度経度を抽出し,2点の緯度経度から計算した移動速度を用いることでノイズを判定し,除去する手法を提案する. その結果,ノイズ除去後のユーザの移動軌跡が実際の移動軌跡に近くなり,通過と判定してしまったGPSデータを停留と判定することができた.

6E-3 (時間: 16:00 - 16:25)
題名Wi-Fi基地局の観測履歴を利用したユーザの状態遷移解析
著者太田 健吾 (立命館大学大学院理工学研究科), *向井 政貴 (立命館大学情報理工学部), 新井 イスマイル (立命館大学総合理工学研究機構), 西尾 信彦 (立命館大学情報理工学部)
Pagepp. 1426 - 1433
Keywordユビキタスコンピューティング, Wi-Fi, コンテキストアウェアネス
Abstract近年,GPSやカメラ等のライフログを記録可能なデバイスが搭載された高性能な携帯端末が普及しつつあり,そのライフログを解析し,ユーザの行動に合わせた情報を提供できることが期待されている.しかし,GPSや映像・音声から得られるライフログは屋内や公共空間では利用できないという問題がある.そこで,本研究ではライフログとしてWi-Fi基地局の観測履歴を利用してユーザの行動を把握するための手法を提案する.この手法では,現在観測されているWi-Fi基地局と一定時間過去に観測されているWi-Fi基地局を比較することで,ユーザの移動・停留を判定し,その移動停留情報から行動モデルを作成し,行動予測に用いる.評価の結果,予測精度は最大で71.3%であった.本稿では,提案手法,設計,実装および評価について述べる.

6E-4 (時間: 16:25 - 16:50)
題名位置情報サービスにおける実環境を考慮したユーザ位置曖昧化
著者*鈴木 晃祥, 岩田 麻佑 (大阪大学情報科学研究科), 荒瀬 由紀 (マイクロソフトアジア), 原 隆浩, 西尾 章治郎 (大阪大学情報科学研究科)
Pagepp. 1434 - 1441
Keyword位置情報サービス, 位置プライバシ, 携帯端末, GPS
AbstractGPS技術の発展に伴い現在多くの携帯端末がGPS受信機能を搭載しており,ユーザの位置情報を 利用した位置情報サービスが数多く提供されている. このようなサービスでは,ユーザの位置に関係した情報を簡単にユーザに提供することが可能になる. 位置情報サービスを利用するユーザは自身の位置情報をサービスプロバイダに送る必要があるが, この位置データが第三者に露見することによって,住所などの個人情報が明らかになってしまう危険性がある. このようなユーザの位置情報に関連したプライバシは位置プライバシと呼ばれている. 本稿では,ユーザの位置情報をもとに架空の位置情報を作成し,ユーザの位置と合わせて送信することにより,ユーザの位置プライバシを保護する手法を提案する. また,地図データ上で,実際にユーザの動きをシミュレーションし,本手法の有効性を確認した.