題名 | 環境発電によって電力供給を行うセンサネットワークでのデータ収集方式 |
著者 | *吉田 将也 (静岡大学大学院情報学研究科), 木谷 友哉 (静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点), 萬代 雅希 (上智大学理工学部情報理工学科), 渡辺 尚 (静岡大学創造科学技術大学院) |
Page | pp. 1037 - 1048 |
Keyword | センサネットワーク, エナジーハーベスト, 環境発電, データ収集プロトコル |
Abstract | 熱や光,振動などから電力を得る環境発電(エナジーハーベスティング)が次世代センサネットワークの電源として注目されている. エナジーハーベスティングは従来のバッテリーとは異なる不安定な電力供給となるため, データ収集時に中継するノードが常に動作可能とは限らず,パケットの欠落が頻繁に発生する. そこで本研究では,中継時のパケットの欠落に対応し,効率のよいデータ収集を行うため, パリティを用いて冗長にデータを送信する方式(PPT,APT)と通信成功確率に基づいてパケットの再送や破棄を行う方式(ERT,SRDD)を提案する. 計算機シミュレーションによって,エナジーハーベスティングを用いたセンサネットワークにおいて, 提案方式は従来方式と比較して高いデータ到達率を達成するという結果を得た. |
題名 | TV放送電波を電源として利用するセンサノードのための間欠動作周期決定手法 |
著者 | *西本 寛, 川原 圭博, 浅見 徹 (東京大学大学院) |
Page | pp. 1049 - 1055 |
Keyword | 無線センサネットワーク, エネルギーハーベスティング, スケジューリング |
Abstract | 日常生活において,ますます多くの電子通信機器が利用されるようになり,電波による無線通信の利用機会が拡大している. 著者らは,放送や通信のための電波をある種のエネルギー源としてとらえ,電波から電力を再生しセンサネットワークを駆動することを目指している. 本稿では,地上デジタル放送電波から電力再生を行うレクテナを用い,7日間にわたる放送電波からの再生電力の特性を報告する. その結果,受信した電波強度が弱いと整流効率が低下すること,また放送電波には周期性があり,再生電力に影響することが明らかとなった. また,センサノードの動作周期を最適に決定することにより最大頻度のセンシングを可能とする手法を提案し,プロトタイプへの実装により検証した. 本研究により,太陽光などを用いる従来のエネルギーハーベスティング無線センサネットワークに比べ,安価にセンサノードを構築することが可能である. |
題名 | 光知覚神経ネットワークの機能拡張によるデータ通信とセンシングの特性検証 |
著者 | *川瀧 利之, 澤木 信正, 吉田 勝郎, 阿部 伸俊, 篠宮 紀彦, 勅使河原 可海 (創価大学) |
Page | pp. 1056 - 1062 |
Keyword | ユビキタスサービス, センサネットワーク, 光ファイバセンサ |
Abstract | 我々が生活する実空間の情報を利用したサービス,いわゆるユビキタスサービスを提供するための情報基盤として,センサネットワークの研究が注目されている.その中でも,散乱などの光の特性を利用した光ファイバセンサを用いたセンサネットワークは,従来の無線センサネットワークでは越えられなかった課題を解決するセンサネットワークとして期待されている.そこで本研究では,ヘテロコア光ファイバセンサをセンサ素子かつ伝送媒体として用いた,新たな光ファイバセンサネットワークとして光知覚神経ネットワーク(Optical Sensory Nerve Network)の研究開発を進めている.本稿では,まず,先行研究で指摘されてきた光知覚神経ネットワークを構成する際の問題点を取り上げ,それを克服するため,新たな機能を持つ通信機器と新型のセンサモジュールを導入したシステムの機能拡張法を提案する.さらに,冗長化機構を適用した光知覚神経ネットワークを対象に,上記機能拡張されたシステム運用時のデータ通信とセンシングの特性に関して,実機を用いて検証し,利点を明らかにする. |
題名 | 無線センサネットワークの為のモデル駆動開発に向けたDSL非依存モデルの提案 |
著者 | *清水 遼 (早稲田大学), 鄭 顕志 (国立情報学研究所), 深澤 良彰 (早稲田大学), 本位田 真一 (国立情報学研究所/東京大学) |
Page | pp. 1063 - 1070 |
Keyword | 無線センサネットワーク, モデル駆動開発 |
Abstract | 無線センサネットワーク(WSN:Wireless Sensor Network)におけるアプリケーション開発は複雑である.この複雑さを低減するために幾つものミドルウェアとドメイン特化言語(DSL:Domain Specific Language)のセットが提案されているが,各利用環境毎に異なるミドルウェアとDSLを用いると同じ要求に対するアプリケーションの開発工程が異なり冗長になってしまう.本論文では,複数の環境で動作するWSNアプリケーションを開発する為にモデル駆動開発(MDD:Model Driven Development)を適用することを目的とし,WSNアプリケーション開発にMDDを適用する際に用いるDSLに非依存なモデル(DSL-IM:DSL - Independent Model)を提案する.本手法では,DSL-IMをDSLの分類に基づき3つの分類毎に作成し,これら複数のDSL-IMをMDDのプロセスに導入する.これにより,単一のDSL非依存モデルを用いた場合にDSL非依存モデルからDSL依存モデルへの変換ルールに生じる冗長さを低減する事を確認した. |