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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2010)シンポジウム

セッション 3F  安全技術とトラスト
日時: 2010年7月7日(水) 17:20 - 19:25
部屋: 和風
座長: 野秋 浩三 (NTTドコモ)

3F-1 (時間: 17:20 - 17:45)
題名一般ユーザのマルウエア感染のリスクに関する一考察
著者*東 結香, 猪俣 敦夫, 藤川 和利 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科), 砂原 秀樹 (慶応義塾大学メディアデザイン研究科)
Pagepp. 728 - 734
Keywordリスク, マルウェア感染, 情報漏洩
Abstract近年、コンピュータは社会に浸透する一方、同時に個人情報の流出やコンピュータを乗っとられ勝手に使用されるといった脅威にさらされている。これらの脅威に対して、企業ではISMS取得や情報漏えい事故を起こさないために、リスクアセスメントが盛んに行われているが、一般ユーザ向けのリスクというのは考えられていない。そのため、一般ユーザはインターネットの脅威について”危ないらしいがよく分からない”という漠然とした不安を持っている。そこで本論文では、一般ユーザのマルウェア感染のリスクを対象として、リスクの定量化を行うモデルを提案する。具体的には、現在の市場での情報の価値及びリソースの価値というものを金銭的に算出し、自然災害のリスク評価のモデルを拡張し、マルウェアの感染リスク評価モデルを提案し、考察を与える。

3F-2 (時間: 17:45 - 18:10)
題名視線誘導型なりすまし検知方式の検討(その2)
著者*高田 愛美, 鈴木 徳一郎 (静岡大学大学院情報学研究科), 山本 匠, 西垣 正勝 (静岡大学創造科学技術大学院)
Pagepp. 735 - 742
Keywordなりすまし検知, 視線, 興味
Abstractユーザ認証とは,本来,単なるサービス利用開始時の「不正アクセス検知」として実施されるものではなく,ユーザがサービスを利用している全期間中の「なりすまし検知」として機能するべきものである.キーストロークなどの個人の挙動特性を用いたなりすまし検知方式が研究されているが,人間の動作は基本的に曖昧であるため,表層的な挙動特徴だけでなく,ユーザの心理的な側面を考慮した挙動特徴を捉えていくことが肝要である.著者らは既に,ユーザの興味対象に対する視線の動き(眼球運動)に着目し,ユーザの顔画像を用いたたなりすまし検知方式を提案している.基礎実験から「ユーザは他人の顔よりも自身の顔に視線が誘引されやすい」という傾向が確認されたが,正規ユーザの「顔」は不正者も取得しやすい情報であるため,なりすまし検知方式としては不完全であった.本稿では,実在しない人物の顔画像を用いることにより,既存方式の改良を行なう.

3F-3 (時間: 18:10 - 18:35)
題名ネットワークコミュニケーションに伴う不安調査結果について
著者*山本 太郎, 千葉 直子, 間形 文彦, 高橋 克巳 (日本電信電話株式会社 NTT情報流通プラットフォーム研究所), 関谷 直也, 中村 功 (東洋大学 社会学部), 小笠原 盛浩, 橋元 良明 (東京大学大学院 情報学環)
Pagepp. 743 - 747
Keyword安心, 不安, ネットコミュニケーション, CGM
Abstract手紙,電報,電話.離れた人と人を線で結ぶテレコミュニケーションは,やがてインターネットを代表とする広域ネットワークを介した面のコミュニケーションへと進化した.だが,これほど浸透しているのにも関わらず,果たして人々は電話のように安心してネットワークコミュニケーションを行えているのであろうか.我々は予備調査を元に,不安の軽減による安心の獲得を目指し,ネットワークコミュニケーションにおける不安に関する質問紙調査を実施した.本論文では,その結果の一部を紹介するとともに,不安の大きさと年齢やトラブル対策度合いなど各種要因との関係について分析した結果を示す.

3F-4 (時間: 18:35 - 19:00)
題名情報セキュリティ技術に関する安心感の質問紙調査の項目検討のための予備調査
著者*西岡 大, 藤原 康弘, 村山 優子 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科)
Pagepp. 748 - 754
Keyword安心, 質問紙調査, 因子分析, 予備調査
Abstract本研究では,情報セキュリティ技術に対する安心の要因を,質問紙法及び因子分析を用いて抽出しモデルの構築を行ってきた.しかし,因子分析は変数の関係をもとに共通する因子を抽出する手法であり,変数である質問項目が不足していると因子がうまく抽出できず,抽出すべき因子を見逃してしまう可能性がある.そこで,本稿では,本研究で利用してきた質問紙の再検討をブレーンストーミングとKJ法を用い試みた.調査の結果,7つの要因がある事が判明し,新しい質問項目の候補として2つの要因が存在することが判った.この結果を基に,新たな質問紙を作成し,作成した質問紙を利用して予備調査を行った.その結果,3因子に分類することができたが,質問紙の修正を行う必要があることが判った.

3F-5 (時間: 19:00 - 19:25)
題名トラックドライバの安心に関する質問紙調査の分析
著者*藤原 康宏 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部), 永吉 孝行, 西山 義孝 (UDトラックス), 村山 優子 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
Pagepp. 755 - 760
Keyword安心, トラスト, 質問紙調査, 安全運転
Abstract安全運転を支援するために,様々な安全技術やそれを実装した車両が開発されている.しかし,安全な車社会を実現するためは,安全技術のみで解決できない人間的な要因があると考えられる.本研究では,その人間的な要因をトラストの概念から明らかにするために,安全運転に対してドライバが感じる安心感の要因について調べるための質問紙調査を実施した.探索的因子分析の結果,安心感の要因として,「運転環境」,「リスクのある状況」,「車両の不調」,「運転者の初期状態」の4つの因子が抽出された.