題名 | 加速度と音による家庭内ユーザ状況認識の可能性検討 |
著者 | *大内 一成, 土井 美和子 (株式会社 東芝) |
Page | pp. 508 - 515 |
Keyword | 状況認識, 加速度センサ, マイク |
Abstract | 社会の高齢化に伴い,高齢者・障がい者など社会生活弱者の家庭内の生活状態を見守ることの重要性が増してきている.我々は,環境側へ機器を設置せず,携帯電話などの小型情報端末にすでに搭載されている加速度センサとマイクのみを活用した生活状態見守りを検討している.小型端末上での処理を念頭に置き,計算量を抑えた認識手法として,まず加速度センサを活用してユーザの動作状態を大まかに推定し,推定した状態に応じてマイクを起動して音環境の分析を行う方式を提案する.胸ポケットに格納した試作デバイスで実際の家庭生活のデータを収集して評価した結果,加速度センサのみで歩行,作業,安静の3状態を概ね95%以上の精度で分類でき,音環境の分析により,掃除機がけ,皿洗い,トイレの水洗/手洗い,歯磨き,髭剃りの各作業を平均85%の精度で推定できた. |
題名 | 人間行動理解のための加速度信号処理とその応用 |
著者 | *小川 延宏, 梶 克彦, 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科計算理工学専攻) |
Page | pp. 516 - 523 |
Keyword | 人間行動, 加速度信号, 信号処理 |
Abstract | 携帯機器に搭載された加速度センサ等を用い、ユーザの行動を識別する研究が進められている。これらの研究では、得られたセンサ情報から、事前に定められた行動の識別を実現している。しかし、個々の行動の詳細情報を理解することを目的としていないため、同じ種類の行動に対して“ 前回との違い”等の情報を知ることはできない。本論文では、人間行動を識別するだけでなく、そのより詳細な理解を目的として、加速度信号のみを用いた行動の詳細情報の取得手法を提案する。具体的には、まず、計測対象の行動に対して軌跡を厳密に規定し、対象とする行動のモデル化を行う。次に、センサから出力された加速度信号に対して、様々な処理を適切に組み合わせることによって、位置に関する物理量を求める。更に、これら物理量を、計測対象とする行動モデルに適用し、目的情報の取得を行う。今回は、平行運動、回転運動といった、基本的な行動に対して、本論文で提案したアプローチの有効性を確認した。 |
題名 | 顔認識を用いた周辺環境に基づく間接的状況認識システムの設計と実装 |
著者 | *武田 誠二, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻) |
Page | pp. 524 - 532 |
Keyword | 間接的状況認識, 顔認識, 行動認識, ウェアラブルコンピューティング, 状況推定 |
Abstract | 近年のセンサ技術の発展により,装着型センサやカメラを用いてユーザの状況を認識する技術に対する注目が集まっている. 本稿では,これまでのユーザを直接センシングすることによる状況認識とは異なる新たな手法として, 周辺環境に基づいた間接的状況認識手法を提案する. 間接的状況認識システムは周囲の環境をセンシングし,解析した結果を用い間接的に自身の状況を認識する. 本研究では提案手法のプロトタイプとして,周囲の人の顔情報を用い自分が置かれている状況を認識するシステムを実装した. また実際にシステムを使用した評価実験により,提案手法が有効であることを確認した. 提案手法を使用することで,従来の直接的なセンシングでは得られなかった状況の取得を可能にする. |
題名 | 利用ログに基づくコンテキスト生成に関する検討 |
著者 | *中津 寿秀 (福岡大学大学院工学研究科), 奥村 勝 (福岡大学総合情報処理センター) |
Page | pp. 533 - 539 |
Keyword | コンテキスト, コンテキストアウェアネス, 利用ログ |
Abstract | 情報処理システムの発展に伴い,様々なシステムログが得られるようになってきた.近年では,それに意味づけをしたコンテキストとして利用者の行動や状況,集団的特徴を推定する研究が増えてきており,今後もますます注目されると考える. 本稿では,学内の情報システムから得られる利用ログを用い,利用者の利用状況や使用頻度,行動の特徴といったコンテキストを生成し,それを必要とするアプリケーションからコンテキスト情報を参照できるシステムについて提案を行う.本稿の前半では,各利用ログに対する生成処理関数やコンテキスト生成ルールについて提案する.本稿の後半では,その有用性を検討するために試作システムを作成し,評価した.試作システムでは,提案手法で示した関数やルールを実際にプログラムに組み込むことで,正しくコンテキストが生成されるかを確認した.最後に,提案手法と試作システムを踏まえての考察を行い,今後の目指していく方向を示す. |