題名 | (招待講演) 未来社会を支えるクルマのネットワーク化 |
著者 | *小花 貞夫 (ATR) |
Page | p. 1 |
題名 | 車車間通信における道路セグメントを利用した情報伝搬手法 |
著者 | *内川 亜美, 羽鳥 遼平, 黒木 智也, 神田 翔平, 原田 亮 (慶應義塾大学理工学研究科), 重野 寛 (慶應義塾大学理工学部) |
Page | pp. 2 - 7 |
Keyword | ITS, VANET, 車車間通信, アドホックネットワーク |
Abstract | 公共サービスアプリケーションの1 つである優先車両の優先通行通知を行う場合, 優先車両の通行する道路に位置する車両にあらかじめ情報を伝搬する必要がある.し かし,既存手法では,冗長なパケットの増加によるパケット衝突が問題で,優先車両の 指定した道路に位置しているすべての車両へ情報を伝搬することが難しくなる.この 問題の原因として,「走行する道路外に位置する車両のフラッディング」と「パケット中 継の増加」が挙げられる.本稿では,道路をセグメントへと分割した道路セグメント を用い,冗長なパケットを減らしながらも,優先車両の走行する道路に沿った情報伝 搬を実現する手法を提案する.提案手法は優先車両の指定した道路のみへパケットを 伝搬し,パケットを受信した車両のうち1台がパケットを中継する.計算機シミュレー ションによって評価を行った結果,既存手法と比べ,トラフィック量を平均約60%減 少させ,パケット通過率を約20%高く保つことが確認できた. |
題名 | VANETにおける車速・車両密度を考慮したRNCを用いた位置依存情報配布の検討 |
著者 | *楠嶺 生宏 (静岡大学大学院工学研究科システム工学専攻), 石原 進 (静岡大学創造科学技術大学院) |
Page | pp. 8 - 15 |
Keyword | 車々間アドホックネットワーク, アドホックネットワーク, 位置依存情報, ランダムネットワークコーディング, コンテンツ配信 |
Abstract | 車車間アドホックネットワーク(VANET:VehiculAr Ad hoc NETworks)において,現在位置周辺で起きた位置に依存する情報を自動的に取得できるアプリケーションを考える.情報を生成した車両からフラッディングなどによって情報配信を行えば,マルチホップの通信で通信可能な範囲にいる車両全体に情報配布を行うが,そのときに通信範囲外にいる車両はその情報を受信することは出来ない. 本稿では,データに関連する位置に近づいた車両が発するHelloパケットを受信した車両が,そのデータを持っていた場合に応じてデータを送信することでデータ配信を行うシナリオを考える. この場合,車両密度が高い場合には,すでにデータを保持する車両から多くの冗長なデータが送信され,帯域を浪費し,更にパケット衝突によりデータの配信性能を悪化させることが見込まれる. 本稿では,この対策のために1)データ配信でのランダムネットワークコーディングの利用,2)動的なHello送信間隔の調整,3)車両密度による応答確率の変更,を行う方法を提案する. シミュレーションの結果,提案方式は交通量が大きい場合に,少ないトラフィックで確実なデータ配信を可能であることが確かめられた. |
題名 | VANETにおける高車両密度地域へのトラフィック誘導を行う位置依存情報複製配布手法の検討 |
著者 | *岡本 惇一朗 (静岡大学大学院工学研究科システム工学専攻), 石原 進 (静岡大学創造科学技術大学院) |
Page | pp. 16 - 24 |
Keyword | VANET, 複製配布, アドホックネットワーク, 位置依存情報, 車両密度 |
Abstract | 端末の移動などにより端末間の通信接続性が保証されないアドホックネットワークにおいて,各端末が他端末の保持するデータに対するアクセス性能を向上させる手法として,生成した情報の複製を他端末に配布する複製配布が有効である.しかし,複製配布は周辺の端末密度に影響を受け,周囲に端末がほとんどいないような環境では,複製を効率的に配布するのは困難である.本稿では,車両間アドホックネットワークにおける位置依存情報の複製配布手法として,複製を車両密度の高い幹線道路へ誘導し,誘導先の幹線道路上の車両に複製の保持と配布を行わせる高端末密度地域誘導型複製配布手法を提案する.提案手法では,低車両密度地域で生成された位置依存情報の複製を,幹線道路方向へ誘導し,幹線道路上を走行する車両に予め複製を保持させることで,情報に対するアクセス性能を向上させる.本論文では,シミュレーションにより提案手法を評価し,位置依存情報が生成された位置周辺だけでなく,車両の多い地域まで複製を誘導し,誘導先の地域で複製を配布させることで,より小さな配送遅延で,情報に対するアクセス成功率を向上させることを確認した. |
題名 | 無線環境下における複数無線通信システムの同時使用に関する検討 |
著者 | *松本 真紀子, 宮崎 悦子, 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
Page | pp. 25 - 30 |
Keyword | マルチパス, TCP |
Abstract | 近年,ワイヤレスブロードバンドと呼ばれる種類の新たな電波利用通信システムが次々に開発され、導入が推進されている.しかし無線通信のブロードバンド化に伴い周波数帯域幅が不足し,これによる通信性能の低下問題が懸念されている.このため今後周波数帯を有効に利用する技術が求められており,その手段として周囲の電波環境の状況に応じて使用する周波数帯や無線規格を適宜変更し,通信に必要な帯域幅を確保するコグニティブ無線技術が提案されている.コグニティブ無線技術には周波数共有型とヘテロジニアス型の2つの方式があり,そのうちヘテロジニアス型は周囲の電波環境に応じて複数の無線通信システムを動的に変更して利用したり,組合せて無線通信を行う技術である.動的に無線通信システムを変更し通信を行う技術については実用化に向け議論が進んでいるが,複数無線通信システムを組合せて通信を行う技術については電波環境の認識,利用可能な周波数の検出,決定などのコグニティブ無線技術のベースとなる技術と,複数コネクションを集約する技術が別々に議論されることが多い.そこで本研究ではこの両技術を考慮にいれ,既存の複数コネクション集約技術を用いて複数無線通信システムを同時に利用した際の評価を行った. |